◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.45-2010.09.07
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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ので、普段の決算・経理・税務実務全般について、ご質問、ご相談等ございま
したら、どんな小さなことでも結構ですので、是非教えてください。必ず何ら
かのご回答差し上げます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]グループ法人税制の留意点(その8)
2.[IFRS]無形資産(その2)
3.[最新J-GAAP]税効果実務指針の改正
4.[編集後記]

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1.[税務]グループ法人税制の留意点(その8)
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次は受取配当等の益金不算入です。

親会社が保有する100%子会社の株式を、子会社に譲渡したらどうなるでしょう?

子会社は自己株式の取得ですよね。

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[改正前]
税務上は、みなし配当が生ずると同時に譲渡損失が生ずることがあるんです。

例えば、

親会社が保有する子会社株式の簿価:50百万円

子会社
資本金:10百万円
利益積立金:60百万円

というような状況だとします。外部からこの会社を買収して子会社にしたよう
なケースだと思ってください。

でこの親会社が保有する子会社株式を簿価の50百万円で子会社に譲渡したとし
ます。

すると、

親会社では、
会計上は Cash 50百万円 / 子会社株式 50百万円ですが、
税務上は Cash   50百万円 / 子会社株式 50百万円
     譲渡損失 40百万円 / 受取配当金 40百万円

という扱いになります。資本金等の額に相当する10百万円で譲渡したものとし
て扱われ、それ以上の金額はみなし配当になるのです。

で、子会社からの配当ですから受取配当金は益金不算入だったわけですよね。
すると買収等で取得して、取得価額が、その子会社の資本金等よりも大きい金
額になっているような場合、子会社に自己株式を簿価譲渡すれば、損失が計上
できたわけですね。
───────────────────────────────────
これが変わっちゃったわけです。
───────────────────────────────────
[改正後]
税務上、譲渡損益の計算は、譲渡対価の額から譲渡原価の額を控除することに
なっているのですが、100%グループ間での自己株式の取得にあたっては、この
譲渡対価=譲渡原価とすることとされたんです。

また、以下の金額は資本金等の減額とされています。

みなし配当+譲渡対価の額-交付を受けた金銭等の額

ですから上記の例では、みなし配当40百万円、譲渡対価50百万円、交付を受け
た金銭等の額50百万円ですから、40百万円は資本金等の減額とされたわけです。

税務上の仕訳が Cash   50百万円 / 子会社株式 50百万円
        資本金等 40百万円 / 受取配当金 40百万円

となるということですかね。

ということで損金だけとるといういいとこどりは本年10月1日から出来なくなり
ます。

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でもこれ、なんで資本金等なんでしょうね。行き場がなくなったのでもってい
ったという感じがしますよね。

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2.[IFRS]無形資産(その2)
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・顧客との関係及び類似の項目

この例として紹介されているのは、携帯電話サービスプロバイダが他のプロバ
イダの既存の顧客基盤から新たに加入者を獲得する場合です。この顧客にこの
プロバイダとの契約を継続する義務はないわけですが、将来の収益期待が無形
資産として認識されることがあるはずです。

ここでもう一つ例として挙げられているのが、契約締結に伴い(紹介料等として
)外部者に支払われるコミッションです。ある会社が顧客と警備契約を締結する
際に(紹介者である)他社にコミッションを支払った場合、この支払額は将来収
益を獲得する権利であり、無形資産として認識されることがあります。

・競業避止義務

企業結合により競業避止契約が締結される場合がありますが、この競業避止契
約は無形資産として認識されることがあるようです。特に企業結合で取得した
場合には、分離可能性の要件を満たしていないような場合でも積極的に認識す
るようです。

・規制資産

当期以前に生じた資源のアウトフローをカバーするために将来、価格を引き上
げることを認めるような場合に資産を計上できる場合があるようです。

というわけで、なかなか日本の実務では資産計上など考えもしなかったような
ものも含まれているといえます。

難しいですが、基本はやはりフレームワークの資産の認識の要件なんだと思い
ます。

つまり、

将来の経済的便益が企業に流入する可能性が高い。

取得原価を信頼性をもって測定できる。

基本的には、このふたつの要件が満たされている場合は無形資産として認識さ
れるわけです。

(つづく)

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3.[最新J-GAAP]税効果実務指針の改正
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グループ法人税制の創設等に対応するため、会計制度委員会報告第6号「連結
財務諸表における税効果会計に関する実務指針」と、同第10号「個別財務諸表
における税効果会計に関する実務指針」の見直しが行われました。平成22年9
月3日です。

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まずは、個別の方ですが、

・完全支配関係にある国内会社間の資産の移転による譲渡損益の繰延
・完全支配関係にある国内会社間の寄附金受領支出法人の株主における子会社
 株式の税務上の簿価修正

は一時差異になることが示されました。当たり前といえばあたりまえですが、
次回もう少し詳しくみましょう。

適用は、平成22年9月3日以後終了する事業年度末、連結会計年度末及び四半
期会計期間末からですからね。

今回、難しい話が多いです。

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4.[編集後記]
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9月になりましたけど、まだまだ暑いですね。うちの娘も熱中症になりましたの
で、引き続きご自愛くださいませ。

夏も終わりに近づくと大きなお祭りがありますよね。うちの近くでも比較的大
きなお祭りがありました。このお祭りに便乗して近くの商店街が色々な出店を
出して張り合っていたのですが、飲み物、やきそば、ヨーヨーすくい等ありき
たりの出店のなかでひときわ目をひいた店がありました。いつもハ虫類関係(ヘ
ビとかクモとかトカゲとか)を売っているお店があるのですが、ここで「金魚す
くい」とともに、「イモリすくい」をやっていたのです!

見ていると、子供達は「金魚すくい」と同じように獲物をすくうわけですが、
「イモリ」ですから、、、「金魚」じゃなくて。。。せっかくすくった獲物を
いれた器からチョロチョロ逃げ出してしまって、またもとの水槽に戻っちゃっ
てるんですよね。

ご想像どおり、うちの子も「どうしてもやりたい!」という話になりまして、
「うちでは飼わないよ。とっても返してきなさい。」という条件でやらせまし
た。5匹くらいとったのですが、とると「やっぱり飼いたい!」といいだしまし
た。「うちは絶対だめです。」と強硬に拒否しまして、全部返してきました。
まあ、すくうだけなら面白いでしょうね!「イモリ」の話でした。

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 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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