【Weekly accounting journal】vol.38
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.38-2010.07.20
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]包括利益の会計基準もちゃんとみておきましょう(その3)
2.[最新J-GAAP]資産除去債務の範囲はどこまでなのか?
3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
4.[編集後記]
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1.[最新J-GAAP]包括利益の会計基準もちゃんとみておきましょう(その3)
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○もう一度、「包括利益」の内訳を整理します。
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|包|親会社 |当期純利益 |A
| | |━━━━━━━━
|括|持分 |その他の包括利益|B
| |━━━━━━━━━━━━━
|利|少数株主|当期純利益 |C
| | |━━━━━━━━
|益|持分 |その他の包括利益|D
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すみませ~ん。見にくいですよね。
めげずに書くと、従来から当期純利益としてAが開示されているわけです。で
すから、包括利益を表示する方法として、
AにBを足して、(C+D)を足す方法
と
AにCを足して、(B+D)を足す方法
が考えられるわけです。はい。
で結局、今回の会計基準では、AにCを足して(B+D)を足す方法が採用されたわ
けです。
で、このAにCを足したものを「少数株主損益調整前当期純利益」という名称で呼
ぶことにしたわけです。
ですから、先週のものをもう一度書いておきますと
『包括利益は、
当期純利益(親会社株主持分相当額+少数株主持分相当額)
※一般的には「当期純利益」は親会社株主持分だけですから、誤解のないよう
にお願いします。「少数株主損益調整前当期純利益」のことをいっています。
と
その他の包括利益(親会社株主持分相当額+少数株主持分相当額)
の合計額である』ということになります。
でも、、、、ですね。「包括利益」って本来は、従来の利益概念とは、もっと劇
的に異なるものであったはずなんです。
IFRSはもともと利益の測定があって財政状態が確定するというロジックを指向
していたのではなく、そもそも利益の測定自体にあまり重きをおいていない考
え方なんだそうです。
つまり、複式簿記すら使用しなくてもよい位の感覚で、ある時点の企業価値の
算出を目指します。そこでは、あくまで純資産の表示が念頭にあり、その結果
として包括利益が必要とされるに過ぎないのだそうです。
すなわち、本来、純資産→その他包括利益→当期純利益と決定すべきものであ
るそうなんです。
ところが、現在の会計基準では、完全に当期純利益→その他包括利益→包括利
益→純資産
というイメージになっています。
誤解されると困るので、長くなってしまいますが、実務的には従来の感覚で当
期純利益を算出し、これにその他の包括利益を加減すればよいのです。J-GAAP
でも、将来適用されるIFRSでも。
ただ、IFRSの本来の考え方は上記のように革命的なものであるというイメージ
はどこかにもっていたほうがよいかなあ、というところです。
(つづく)
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2.[最新J-GAAP]資産除去債務の範囲はどこまでなのか?
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建設リサイクル法によるコンクリートの再資源化義務が資産除去債務に含まれ
るとする考え方があるようだとの記事が経営財務に載っていますね。
含まれるとすると自社ビルについても、再資源化等に係る費用を資産除去債務
として計上することになります。
でもこれ、どうなんでしょうか?
資産除去債務の定義は、
『有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、
当該有形固定資産の「除去に関して」
法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるもの』
とされています。
個人的にはこの「除去に関して」が曲者だと思っています。賃貸借契約や定期
借地権契約を締結している場合には、「除去そのもの」の義務がありますから
ね。これはこの定義に明らかに含まれるといえるでしょうね。
ところが、建設リサイクル法に限らず、現時点で、「除去そのもの」の義務が
あるわけではないが、「除去するとしたら定められた方法により除去しなけれ
ばならない義務」は出てきますという話はいくらでもあるのではないでしょう
か?
このようなものは「資産除去債務」のなかに含まれるのか?
「除去に関して」が曲者です。広くとらえれば含まれるんでしょう。
ただ、僕自身は、このような「除去するとしたら定められた方法により除去し
なければならない義務」は資産除去債務には含まれないと考えています。
色々な局面で誤解があるのかもしれません。
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3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
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【旅客輸送事業の輸送収入】
旅客輸送事業の輸送収入は、輸送サービス提供完了基準と、発券基準とどちら
がよいでしょうか。
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【J-GAAP】
「旅客輸送事業における顧客から受領した対価に対応する役務は、あくまでも
当該顧客を輸送することである」
「輸送サービスを提供した時点」「までは収益の認識はできない」
「発券基準による収益の認識は、あくまでも輸送サービス提供完了基準と重要
な差異がないことを前提とした簡便法として許容されるもの」
「例えば、大半の顧客が発券日と同日に乗車し、かつ、発券基準が毎期継続し
て適用されることが必要」
「回数券や定期券についても同様」「輸送サービス提供完了基準と重要な差異
がなく、かつ、毎期継続的に適用されることを前提とした簡便法として許容さ
れる」
「定期券については、」「定期券の期間にわたり概ね平均的に乗車することが
通常は想定されることから、輸送サービス提供完了基準の適用に当たっては、
通常、定期券の期間にわたり定額法で収益を認識することになる」
【IFRS】
「当該輸送サービスの提供を行った時点において認識することになる」
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IFRSのほうは「それだけ?」という感じがしますが、これが原則主義ですよね。
J-GAAPでいう簡便法がどこまで適用できるのか、各社検討する必要がありそう
です。
次は、「前受使用許諾料及びロイヤルティ」いってみましょう。
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【前受使用許諾料及びロイヤルティ】
ライセンス契約に基づき、レコード原盤、映画フィルム等の作品完成前に使用
許諾者(売手)は使用許諾を受ける者から返還不要の使用許諾料又はロイヤルテ
ィ(固定額)を前受けすることがある。権利許諾者は、その権利許諾時点におい
て、ライセンスの前提となる作品を完成される重要な義務が存在する。なお、
権利許諾者は作品を完成させ、使用権取得者にマスターを引き渡す以外に引き
渡す以外には重要な履行義務は存在しない。
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4.[編集後記]
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今度は娘が骨を折りました。鼻の。
現場は誰も見ていないようなので娘の証言によると、児童館の入り口近くにあ
る、なんていうんでしょうね。
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横から見ると、こんな感じ(笑)の、スロープにある手すりのような、ステンレ
ス製(?) のものの上にすわっていたみたいなのですが、くるっと前にまわって
しまって、下の横棒に顔面を直撃したようです。
まあ、こんなものに座っているほうが悪いわけですが、その後近くのクリニッ
クに連れて行ったときには意識がもうろうとしていたようで、大きな病院に救
急車で運ばれ、妻と一緒に1日入院しました。
結局、鼻の骨折だけということだったのですが、顔は腫れあがってまして、自
業自得といったところです。
しかしまあ、この数カ月でうちの母と娘と二人も骨折してしまいました。めげ
ずに頑張ります!
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公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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