◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.23-2010.04.06
      
  ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

━[ご質問・ご相談等お待ちしております!]━━━━━━━━━━━━━━━
本メルマガでは、より皆様のお役に立てる情報を配信したいと考えております
ので、普段の決算・経理・税務実務全般について、ご質問、ご相談等ございま
したら、どんな小さなことでも結構ですので、是非教えてください。必ず何ら
かのご回答差し上げます。
info@expertslink.jp
━━━━━━━━━━━━━━[ご質問・ご相談等お待ちしております!]━━

━[エキスパーツリンクからのお知らせ]━━━━━━━━━━━━━━━━━
■月5万円からの会計コンサルティング
───────────────────────────────────
エキスパーツリンクでは公認会計士による会計コンサルティングを行っていま
す。「税務顧問」ならぬ「会計顧問」というところでしょうか。最近の会計は
複雑で、困難な見積りや判断を伴うことも多く、また、IFRSの適用など、上場
会社といえども対応は困難です。
エキスパーツリンクでは「アドバイス」「レビュー」「サポート」と会社の状
況に応じたサービスをご提供しています。
・ちょっと相談できる相手が欲しい。
・日ごろから専門家に見てもらわないと不安だ。
・忙しい。ただ、人を採用するとコストがかかる。
・IFRSはなるべくコストを抑えて対応したい。
こんな場合、まずは公認会計士による会計コンサルティングはいかがでしょう
か?
詳細はこちら
http://www.expertslink.jp/service/kaikei.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━[エキスパーツリンクからのお知らせ]━

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]それで、J-GAAPの金融商品はIFRSとどこが違うのか?
2.[最新J-GAAP&税務]棚卸資産の評価
3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
4.[編集後記]

===================================
1.[最新J-GAAP]それで、J-GAAPの金融商品はIFRSとどこが違うのか?
===================================
J-GAAPでの金融商品の時価等開示は、もうすぐ行われることになります。これ
でIFRSに追いついたのでしょうか?

金融商品をあまり保有していない会社にとっては、概ね、追いついたといって
もいいのかもしれません。

IFRSでも時価というか公正価値の開示は行われます(IFRS7.25)。ただし、帳簿
価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合(売掛金や買掛金のような金
融商品)は開示は不要です。

誤解しないでいただきたいのですが、違いはたくさんあるのです。あるのです
が、あまり、金融資産・負債をもたないような事業会社ではあまり影響はない
かなと、僕が勝手に思っているだけです。

違いは、例えば以下のようなものがあげられます。

IFRSでは、貸付金及び債権は、実効金利法に基づく償却原価法により測定され
ます。償却原価法といっても、通常は表面利率=実効金利となるはずですので、
影響はあまりないでしょう。
債権をプレミアム又はディスカウント付きで取得しているような場合はJ-GAAP
でも取得価額と債権金額との差額が金利の調整と認められるときのみ、償却原
価法が適用されますが、IFRSでは必ず償却原価法の適用が必要です。こういう
場合があれば、差異になりますね。

金融負債もそうです。IFRSでは、原則として実効金利法に基づく償却原価によ
り測定されます。これも通常は表面利率=実効金利となるはずですが、IFRSで
は、契約当事者間で授受されるすべての手数料とポイント、取引費用、並びに
その他のすべてのプレミアム及びディスカウントを考慮する必要があります。
これらに該当する場合は、差異になりますね。

IFRSには公正価値オプションというものがあります。「損益を通じて公正価値
で測定」(Fair value through profit or loss ; FVPLとかFVTPLとかいいます)
などといいますが、デリバティブ及びトレーディング・ポートフォリオの一部
として保有される金融資産及び負債はFVPLとして計上することが求められ、ま
た、いかなる金融資産及び金融負債であっても、一定の条件を満たし、それを
当初認識時においてFVPLとして指定される限りにおいて、この分に指定できま
す。この場合、この公正価値の変動は損益として処理されますので、差異にな
ります。ただし、指定した場合ですからね。指定しなければ変わりはないわけ
です。

というわけで、一般事業会社にとってみれば、あんまり、差異はないというこ
とになるのではないでしょうか。

会計コンサルティングはこちら
http://www.expertslink.jp/service/kaikei.html

===================================
2.[最新J-GAAP&税務]棚卸資産の評価
===================================
後入先出法、なくなりますよね。

あまり関係のある会社さんは多くはないのかもしれませんが、影響は大きいと
思いますので、概要にとどめますが、記載しておきます。

会計上、後入先出法は平成22年4月1日以後開始する事業年度からは適用できま
せん。新評価方法を採用する必要があります。平成22年3月31日以前に開始す
る事業年度からの早期適用も可能です。

この影響は多額に及ぶことが想定される会社もありますので、このような会社
については、適用初年度の期首の棚卸資産に係る保有損益相当額のうち当期の
損益に計上された額を、特別損益に表示することができます。

一方、税務ですが、こちらは平成21年度税制改正において、棚卸資産の評価に
ついて選定できる評価方法から後入先出法及び単純平均法が除外されています。

この改正は平成21年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税につ
いて適用し、同日前に開始した事業年度の所得に対する法人税については、従
前どおりとされています。

つまり、一期早いわけです!

ただし、

従来から、後入先出法及び単純平均法を採用している平成22年3月期決算法人で
は、経過措置により、今期に限り従来の評価方法で評価することができます。
また、3月決算で、今期(平成22年3月期)に評価方法を変更する場合には、平成
22年5月末までに届出書を提出すれば、変更承認があったものとみなされます(来
期も同様です。)。
さらに、評価方法の変更に伴い課税所得が増加する場合には、その増加する部分
を7年間均等で分割して益金に算入することができます。

早期適用しなければ、会計上は、平成23年3月期において多額の特別利益がでま
すが、税務上は、以降7年間で分割して益金に算入することができ、その届出書
は平成23年5月までに提出すればよいことになります。この場合税効果あります
よ。

ご確認くださいませ。

会計コンサルティングはこちら
http://www.expertslink.jp/service/kaikei.html

===================================
3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
===================================
先週の設例
***********************************
【授業料】
学習塾等は、一定期間において一定回数の授業を行うことを約した契約に基づ
き授業料を受領している。
***********************************

現行実務上は、通常こういう場合、この一定期間における定額法で収益認識し
ていますよね。

───────────────────────────────────
【J-GAAP】
まずは、J-GAAPですが、単純に期間定額でよいのではありませんよ。
まとめると、

○契約上一定の回数の授業を提供する義務を負っている場合
→契約上必要とされる授業をすべて実施するまで売上を計上できない。

ただし、
○受領した授業料のうち、既に開催した授業に対応する部分について返還義務
を負わない場合、または契約上は返還義務を負う場合であっても過去の経験や
業界慣行等に照らして返還することとなる可能性が低いことが合理的に見込ま
れる場合
→各授業の実施時点において、その授業に対応する部分の売上を計上する。

ただし、
○各授業が契約期間を通じて平均的に実施される場合や、契約上提供すべき授
業の総回数を合理的に見積もることができない場合で、既に経過した期間につ
いて授業料を返還する可能性が低いと判断できるとき
→契約期間にわたり定額で収益の認識を行うことも認められる。

【IFRS】
基本的に同じですので省略しますね。
───────────────────────────────────

英会話など、一定回数の授業の権利が前受で販売される場合には、実施された
授業分だけ計上されるでしょうし、学習塾などでは期間定額もありえるのでし
ょうか。実態を再度吟味しないといけませんね。すべての授業が終了しないと
売上計上できません!となってしまうこともあるかもしれません。ご注意くだ
さい。

次は、関係者の方、ご注意ください。
***********************************
【入会金及び会費】
スポーツクラブやゴルフ場等は、返還義務のない入会金等を受領している場合
がある。このような取引において、スポーツクラブやゴルフ場等は、返還義務
のない入会金等の入金時に一括して収益を認識している場合が多い。
***********************************
この場合の収益はどうでしょう?

会計コンサルティングはこちら
http://www.expertslink.jp/service/kaikei.html

===================================
4.[編集後記]
===================================
引っ越し大変です。
サバイバル生活、なんていいましたが、そんなに大したことなかったですね。
引越費用って、三月末に近いほど高くなるんです。このため、少し早めの、し
かも平日に行ったわけですが、子供の学校と幼稚園があるので、終業式、卒園
式までは、最低限のものを残して元のところでの生活を続けたのです。
照明はダウンライト等、もともと組み込まれているものは当然そのままですが、
吊り下げるタイプのものはリビングのひとつを残してすべて持って行ってしま
いました。でも結構明るかったですよ。全体的に狭かったので、リビングの灯
りだけでも十分、生活できました。
冷蔵庫やテレビはもう寿命近いはずなので、リサイクルしたのですが、ほんと
に引き渡し直前までありましたので問題ありませんでした。
洗濯機は持って行ってしまいましたので、しばらくはコインランドリーでした。
妻は大変だったみたいですけど、短い間ですからね。許していただいて。
食事は、ピクニック等、外で食べるようなテーブルがありましたので、これで。
これがすっごく小さかったのですが、まあ、どうにかなりました。
布団も最後の晩に一枚足りないじゃん!ということになったのですが、残って
いたベッドパッドとか、掛け布団を敷いたりして、どうにかなりました。そん
なに苦ではなかったですよ。
引っ越し大変でした!

━[ご質問・ご相談等お待ちしております!]━━━━━━━━━━━━━━━
本メルマガでは、より皆様のお役に立てる情報を配信したいと考えております
ので、普段の決算・経理・税務実務全般について、ご質問、ご相談等ございま
したら、どんな小さなことでも結構ですので、是非教えてください。必ず何ら
かのご回答差し上げます。
info@expertslink.jp
━━━━━━━━━━━━━━[ご質問・ご相談等お待ちしております!]━━
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
 →決算・開示サポート、内部統制、会計に強い税理士をお求めならこちら
*ブログ:http://expertslink.cocolog-nifty.com/blog/
*E-mail:
 →不動産鑑定士さんもご紹介しています。賃貸等不動産の時価等開示の準
  備、大丈夫ですか?
 →転送はご自由に!
*解除はこちらから
 → http://expertslink.jp/mailmaga.html
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~