◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.18-2010.03.02
      
  ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

本メルマガでは、より皆様のお役に立てる情報を配信したいと考えております
ので、普段の決算・経理・税務実務全般について、ご質問、ご相談等ございま
したら、どんな小さなことでも結構ですので、是非教えてください。必ず何ら
かのご回答差し上げます。

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会社といえども対応は困難です。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]マネジメント・アプローチ(第二回)
2.[IFRS]有形固定資産の測定(第四回~借入費用の資産化)
3.[最新J-GAAP&IFRS&税務]収益認識
4.[編集後記]

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1.[最新J-GAAP]マネジメント・アプローチ(第二回)
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続きです。
開示しなければならないのは以下の事項です。

——————————————————————–
(1)報告セグメントの概要
(2)報告セグメントの利益(又は損失)、資産、負債及びその他の重要な項目
  の額、並びにその測定方法に関する事項
(3)各セグメントで開示される個別項目の合計額とこれに対応する財務諸表計
  上額との間の差異調整に関する事項
——————————————————————–

(1)については報告セグメントの決定方法や、製品及びサービスの種類を記載
します。

(2)ですが、まずここで利益(又は損失)とされているのは、
営業利益(又は損失)、
経常利益(又は損失)、
税金等調整前当期純利益(又は損失)(個別財務諸表に係る注記の場合は、
税引前当期純利益(又は損失))、
当期純利益(又は損失)
のうち、いずれか適当と判断される科目とされています。なお、企業は当該
科目を開示しなければならないとされています。

従来は、営業損益とされていましたが、最終利益までのどの段階のものでも
よいことになります。持株会社など、セグメント=子会社(あるいは複数の子
会社の合計)と考えられるようなケースでは最終利益までのセグメント情報
の開示が社内で用いられていればこの情報を用いることは容易なのではない
でしょうか。

ただし、以下の項目のうち、利益(又は損失)の算定に次の項目が含まれてい
る場合、各セグメントの金額を開示しますので、ご注意ください。
・外部顧客への売上高
・事業セグメント間の内部売上高又は振替高
・減価償却費(のれんを除く無形固定資産に係る償却費を含む。)
・のれんの償却額及び負ののれんの償却額
・受取利息及び支払利息
・持分法投資利益(又は損失)
・特別利益及び特別損失
・税金費用(法人税等及び法人税等調整額)

情報はあるので基本的にはそんなに大変ではないのかもしれませんが、新た
なことはやはり大変ですよね。

(つづく)

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2.[IFRS]有形固定資産の測定(第四回~借入費用の資産化)
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続きです。
借入費用については、まあ利息と思っていればよいのですけど、単純じゃない
ですよ。実効金利法で算定された利息です。借入金などの金融負債は償却原価
法、金利は実効金利法で算定しますので、ご注意ください。この話はまたいつ
かどこかでご紹介しますね。

じゃ、いつからいつまでの金利を資産計上するのか、ですが、

資産化の開始は以下のすべての条件を満たしたときとされています。
・資産に係る支出の発生
・借入費用の発生
・資産を意図したとおりに使用又は売却することを可能にするために必要な活
動が進行中

資産を購入するのに未払の段階では借入費用の資産化は開始しないわけです。
意図した計画が進行していないと資産化できないのもご理解いただけるかと思
います。

つぎにいつ終了するのかですが
意図したとおりに使用又は売却することを可能にするために必要な活動が実質
的にすべて完了した時点です。

ここではこの程度にしておきますが、またいつかとりあげるときが来ると思い
ます。費用計上しないので、税務上やはり損金算入できないのですかね。今後
注意が必要かと。

当初認識はこれくらいにして次回は当初認識後の測定に入ります。固定資産、
大変ですよ。

(つづく)

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3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
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先週の設例
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【物品の販売の実現時点】
売手は、買手の指定する場所に物品を納入する契約を締結している。売手が物
品を納入した後、買手は速やかに買手の定める基準に基づき物品の検査を行い、
その検査の終了をもって所有権が買手に移転する。過去の取引実績では物品の
納入後、買手による検査は速やかに終了しており、特段問題となる事項は売手
へ報告されていない。
***********************************

——————————————————————–
【J-GAAP】
『基本的には検査時点が適切。一定の場合は納入時点が適切。出荷時点は取引
当事者間の合意がない限り適切でない。』

買手による検査が終了するまでは、実現主義の要件である「財貨の移転の完了」
も「対価の成立」も満たしていません。ゆえに検査終了時点で収益を認識する
ことが適切と考えられます。

ただし、過去の実績及び取引当事者間の合意の事実等により「財貨の移転の完
了」の時点を納入した時点をみなすことができる場合には納入時点で収益を認
識することが適切であると考えられます。

なお、出荷の日をもって財貨が買手に移転することが取引当事者間で合意され
ていることが明らかでない限り、出荷基準は適切でないと考えられます。

【IFRS】
『基本的には検査時点。一定の場合は納入時点で認識することもできる。』

IAS18号では、売手が物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値を買手に移転
したことを収益認識要件の1つとしています。

このため、通常、このリスク及び経済価値の移転は買手による物品の検査終了
時点であることから、検査終了時点が収益認識の基本的なタイミングとなりま
す。

ただし、取引当事者間の合意等により、物品の納入時点で重要なリスク及び経
済価値が事実上移転しているとみなすことができる場合には、物品の納入時点
で収益を認識することもできると考えられます。
——————————————————————–

こんな書き方されていますので、日本でも出荷基準はありえないということに
なりますよね。少なくとも現在、論点整理が出されて検討されている新しい収
益認識の会計基準では、明確に認められなくなりそうですね。IFRSではもちろ
ん出荷基準はダメです。

次も影響ありますよね。

***********************************
【返品の可能性がある取引】
音楽用ソフト等の制作販売を行うレコード会社等は販売後、返品を受け入れる
慣行がある。返品はある程度合理的に見積もりが可能。
このような取引において、以下のように販売当初の時点ですべての音楽用ソフ
ト等について売上計上するものの、将来の返品に対応する売上総利益相当額を
返品調整引当金として計上している実務が多い。

・返品の可能性のある売上 100
・予想される返品率 10%
・当該商品の利益率 20%

(期末)
売掛金 100 / 売上 100
返品調整引当金繰入額 2 / 返品調整引当金 2 ※
※100*10%*20%=2

(翌期)
売上 10 / 売掛金 10
返品調整引当金 2 / 返品調整引当金戻入額 2
***********************************

答えは次週!

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4.[編集後記]
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IFRSセミナー終了しました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました!

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今回の感触としては、皆様まだまだ様子見で、手つかずという方が多いように
思われました。
実はこのセミナーを行っている最中に、アメリカSECが声明を出し、IFRSの導入
に関する決定は2011年中に行うとしながらも、その決定をするための情報が十
分ではないとし、SECスタッフにワークプランの実行を命じたとのことで、また、
IFRSの強制適用については、2011年の4~5年後すなわち2015か、2016年にすべ
きと述べています。
米国は2014、2015年のはずだったのですが、日本と同じの2015、2016年になり
そうで、「はしごを外された?」ような状況なのかもしれません。
これを受けて日本の方針に影響がでるのかどうかわかりません(先のばしの可
能性もあるかも!)が、最終的には導入せざるを得ないことは間違いない状況
と思っています。アメリカ以外もほとんどの国で導入されますので、導入しな
ければ、ガラパゴスになってしまいますからね。
こんな状況ですのでまだまだ紆余曲折があるということを意識しつつ、弊社の
IFRS支援の方針は継続していきます。IFRSに限らず、ご質問、ご相談等ござい
ましたらお気軽にくださいね。セミナーもまた企画しています(IFRSではないの
ですが)。近いうちにご案内しますので是非ご検討くださいね!

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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