【Weekly accounting journal】vol.143
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.143-2012.07.24
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]太陽光発電設備及び風力発電設備の即時償却
2.[IFRS]IFRS Foundationの反応
3.[税務]海外から輸入するサービスに係る消費税
4.[最新J-GAAP]問題54
5.[編集後記]
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1.[税務]太陽光発電設備及び風力発電設備の即時償却
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平成24年度税制改正により一定の太陽光発電設備及び風力発電設備に限り、
100%即時償却制度が創設されています。まずは概要を理解しましょう。誤解
を恐れずにおおざっぱに書きます。詳細は以下等によりご確認ください。
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07lhxv0yjz30mrcce8tO
<いつ取得したもの?>
平成24年5月29日から平成25年3月31日までの取得等
<即時償却の対象となる認定発電設備とは?>
・太陽光発電設備が出力10Kw以上、風力発電設備が出力1Kw以上
・再生可能エネルギー特別措置法(再エネ特措法)に定める認定発電設備に該当
するもの
・取得等した日から1年以内に事業の用に供した場合
<認定発電設備?>
こちらご覧ください。
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07lixv0yjz30mrcce4xl
つまり、固定価格買取制度の認定基準等を満たす必要があるわけです。
<固定価格買取制度とは?>
再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電
された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度です。
本制度で電気を売電する場合はその設備について、国の認定を必ず受ける必要
があります。(首相官邸HPより抜粋)
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07ljxv0yjz30mrcce3Od
<で、節税メリットは?>
30%の特別償却(中小企業者のみ7%税額控除)又は、即時償却の適用が可能
⇒中小企業者の税額控除については、限度額がその事業年度の法人税額の20%
相当額を超える場合には、その20%相当額が限度となります(1年繰越可能
です。)。
節税商品のようなイメージでとらえるべお話ではなく、環境負荷軽減に少しで
も貢献するという目的で導入する際に、経済的には、売電による収入と上記特
別償却等による税効果でのメリットがありますよ、というトーンのお話です。
会計監査を受ける会社さんで導入される場合には、特別償却準備金による処理
になるものと思われます。ご検討ください。
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2.[IFRS]IFRS Foundationの反応
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前回はSECの最終報告書までお伝えしましたが、その後、IFRS Foundationがコ
メントを出していますのでお伝えします。
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07lkxv0yjz30mrccejRX
~Michel Prada, Chairman of the Trustees said:
“~
While recognising the right of the SEC to determine the method and
timing for incorporation of IFRSs in the United States, we regret
that the staff report is not accompanied by a recommended action
plan for the SEC. Given the achievements of the convergence programme
inspired by repeated calls of the G20 for global accounting standards,
a clear action plan would be welcome.
For the benefit of both US and international stakeholders, the
Trustees look forward to the SEC resolving the continued uncertainty
regarding the US’s commitment to global accounting standards.”
Hans Hoogervorst, Chairman of the IASB, said:
“~The era of convergence is coming to an end. We are revamping our
institutional infrastructure to provide for a more inclusive approach
to international standard setting. This is the right timing to come on
board and participate in shaping the future of global accounting.”
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07llxv0yjz30mrcce0uN
こちらの記事によりますと、「SECが今後、追加で何らかの判断を示す可能性
はあるが、その時期は不透明。米メディアは2013年以降になるとの見方を示し
ている。」とのことです。
個人的には日本では、上場企業へのIFRSの全面適用はなく、上場企業の一部に
強制があるかどうかという話のように思います。かなり後退していくのでしょ
うね。まあ、現実的には日本基準もほぼIFRSに近づいてきていますので、あん
まり差はなくなりますけど。
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3.[税務]海外から輸入するサービスに係る消費税
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ちょっと前に日経で報じられていましたのでご存じの方も多いと思いますけど、
政府・財務省では「海外から輸入されるサービス」に対して消費税を課税する
検討を開始しています。
現在は、
・モノを輸入する場合は、輸入者が輸入消費税を納税しています。
・サービスを輸入する場合は、消費税がかかっていません。
つまり、海外の事業者からインターネットを通じて音楽や映像、電子書籍をダ
ウンロードする行為は、不課税なわけです。
モノの輸入と違って取引の把握が困難ですからね。
このサービスについて課税が検討されているということです。
課税地と納税義務者は?その仕組みはどうなるのか?
OECD(経済協力開発機構)が勧告を出していて、この勧告を踏まえ、EU加盟国が
すでに実施している課税ルールがあります。これによると、
(B to B取引)
課税地:サービス受領者の所在地
納税義務者: 原則としてサービス提供者だが、「リバースチャージ」採用の場
合はサービス受領者
「リバースチャージ」とはEU域外の国の事業者からサービスの提供を受けたEU
域内の国の事業者が、自国の税率で自国の税務当局に納税するとともに、仕入
税額控除ができる制度をいいます。
(B to C取引)
課税地:原則としてサービス提供者の所在地だが、電子商取引・電気通信サービ
ス・放送事業の場合、サービス受領者の所在地
納税義務者:サービス提供者
納税義務者に着目すると、B to Bでリバースチャージの場合はモノの輸入に近
い形でサービス受領者が納税義務を負いますが、B to Bでもリバースチャージ
にならない場合や、B to Cの場合はサービス提供者が納税義務を負うという形
になっています。
サービス受領者が納税するパターンも、うまくいくのかよくわかりませんし、
サービス提供者が納税義務を負うパターンも想像つきますでしょうか。外国の
事業者が日本に納税するということですよね。このあたりどうなるのか?
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4.[最新J-GAAP]問題54
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[問54]
営業外収益の表示について、正しい組み合わせはどれ?
『(ア)においては、各収益のうちその金額が営業外収益の総額の100分の(イ)
以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについて
は、当該収益を一括して示す名称を付した科目をもって掲記することができ
る。』
[答]
a.(ア)個別財務諸表-(イ)10
(ア)連結財務諸表-(イ)10
(ア)四半期財務諸表-(イ)20
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07lmxv0yjz30mrcceafs
b.(ア)個別財務諸表-(イ)10
(ア)連結財務諸表-(イ)20
(ア)四半期財務諸表-(イ)20
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07lnxv0yjz30mrcceTwR
c.(ア)個別財務諸表-(イ)20
(ア)連結財務諸表-(イ)20
(ア)四半期財務諸表-(イ)20
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07loxv0yjz30mrcceFi1
[前回の解答]
前回の正答はaです。
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5.[編集後記]
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先日、税理士法改正につき意見を求める封書が来ていましたので「反対」とし
てFAXしておきました。あの、会計士が税理士登録するにはさらに税務の試験
を受けさせるという、あれです。理由は「公認会計士は諸税金に係る勘定科目
が含まれた財務諸表に監査意見を表明する資格なのであり、これら税金関係勘
定科目の重要性は一般に高いことから、諸税金に関する専門性を有していなけ
ればならないことは明白である。能力担保措置が実現すれば、会計士は税務に
関する十分な専門性を有していないこととなり、そのような立場で監査意見の
表明を行うことにつき、社会的な信頼が失墜することとなり、国の資格設計が
適切ではないということになると考える。仮に能力担保の必要性につき、疑義
が生じているのであれば、現在の公認会計士税理士が問題を引き起こしている
のかどうか検証を行ったうえで(問題は生じていないと信じていますが)、仮に
問題があった場合でも、能力担保措置を講ずるのではなく、会計士試験の税務
関係問題の難易度を上げる等により対処すべき問題である。」
自分が登録済みだからって、勝手なこと書いているようですが、そうだと思う
んですよ。うん。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)
・ディスクロージャー上級実務士 紺 野 良 一
*URL: http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b07lpxv0yjz30mrccepeE
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