【Weekly accounting journal】vol.272~消費税の内外判定見直し~
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☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させていた
だきます。
◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]外形標準の負担軽減措置を理解しよう。
2.[NEWS]極ゼロは新ジャンル
3.[監査]監査法人セントラル検査結果に基づく勧告
4.[税務]消費税の内外判定基準の見直しに伴う影響
5.[編集後記]
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1.[税務]外形標準の負担軽減措置を理解しよう。
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税制改正大綱では、外形標準課税の税率が段階的に引き上げられる一方で、
2年間限定で、負担軽減措置があるということになっていますが、その算式
が判明しています。税務通信No.3346の記事を参考にしています。
適用対象
・資本金1億円超の普通法人で、付加価値額40億円未満の法人
・「その年度の課税標準×前年度の税率」
<「その年度の課税標準×その年度の税率」
ということになります。
この場合、
控除額
・付加価値額30億円以下の場合
本来増加すべき額×”1/2”
・付加価値額30億円超40億円未満の場合
本来増加すべき額×”1/2×(40億円-付加価値額)/10億円”
ということになります。
要は、
付加価値額が30億円以下の時は、負担増加は、
本来増加すべき額の1/2に抑えられる。
付加価値額が30億円超40億円未満の時は、負担増加は
本来増加すべき額の1/2から1の間に抑えられる。この割合は、付加価値額
の30億円から40億円までのレンジで線形に増えていくことになります。
付加価値額が40億円以上の場合は、負担増加を抑える措置はないということ
ですね。
これって、どれくらいの話なんでしょう?
付加価値割は、現行0.48%、平成27年度0.72%、平成28年度0.96%ですから、
(平成27年度)
付加価値額30億円の場合、
本来増加すべき額=30億円×(0.72%-0.48%)=7,200,000円ですね。
これが1/2に抑えられるので、3,600,000円になる。
つまり、3,600,000円減額される。
付加価値35億円の場合、
本来増加すべき額=35億円×(0.72%-0.48%)=8,400,000円ですね。
これが、3/4(1-1/2×(40億円-35億円)/10億円)に抑えられるので、
6,300,000円になる。つまり、2,100,000円減額される。
(平成28年度)
付加価値額30億円の場合、
本来増加すべき額=30億円×(0.96%-0.72%)=7,200,000円ですね。
これが1/2に抑えられるので、3,600,000円になる。
つまり、3,600,000円減額される。
付加価値35億円の場合、
本来増加すべき額=35億円×(0.96%-0.72%)=8,400,000円ですね。
これが、3/4(1-1/2×(40億円-35億円)/10億円)に抑えられるので、
6,300,000円になる。つまり、2,100,000円減額される。
こういうことですかね。
ということは、例えば付加価値額30億円の企業であれば、
1年目は1年目に増える額の半分しか増えませんし、
2年目も2年目に増える額の半分しか増えないので、
ここまででは、本来増えるべき額の半分しか増えていないように思います。と
いうことは3年目にドンと増える、ということですかね。
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2.[NEWS]極ゼロは新ジャンル
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結局なんなんでしょう。極ゼロは。第3のビールなのか、発泡酒なのか。
サッポロビールは、2013年4月に第3のビールとして発売を開始したものの、
国税当局から、新ジャンルにあたらない可能性があると指摘され、115億円
も追加納付しています。
ところが、サッポロビールはこれに反論、国税当局に返還を求めているよう
です。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0L304M20150130
社内検証により、新ジャンルであることが確認できたためとしています。
せっかく企業努力したのですから、戦えると判断したのなら、とことん戦って
ほしいものです。
ちなみに、会計基準は、今回のものに完全に合致するわけではないかもしれま
せんが、以下が参考になります。
「追徴税額に関して、課税を不服としてその撤回を求め法的手段を取ることを
会社が予定している場合も想定されるが、その場合であっても、法的手段を取
る会社の意思のみでは未納付額の不計上あるいは納付税額の仮払処理を行うこ
とは適当ではない。
法的手段を取った後の経緯、会社及び課税当局(国外を含む。)の主張、相互協
議の成否、裁判になった場合は当該裁判の中での双方の主張等総合的に判断し、
追徴税額の還付可能性を判断する必要がある。
還付されることが確定しているもの及び還付額を合理的に見積もることが可能
な還付税額のうち未収額については、重要性が乏しいと認められる場合を除き、
「未収還付法人税等」等、その内容を示す適当な科目で表示する。」
いつか、未収計上されるのでしょうか?
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3.[監査]監査法人セントラル検査結果に基づく勧告
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もう、本当、この頃の処分勧告はすごい表現です。
http://www.fsa.go.jp/cpaaob/sonota/houdou/central.pdf
「被監査会社が健全な財務状況であることをもって、監査リスクが低いと思い
込んでおり、前年どおりの監査手続を実施してさえいれば、大きな監査上の
問題は発生しないと考えている。」
「減損の兆候がある固定資産について被監査会社の主張の合理性を検討せず、
また、売掛金の残高確認において重要な差異が生じているにも関わらず調査
を実施しないなど、複数の個別監査業務において監査の品質の水準を確保す
るために必要な手続を行うことなく監査を完了しており、監査の基準に準拠
していない監査手続が広範囲に多数認められる。」
などなど。
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4.[税務]消費税の内外判定基準の見直しに伴う影響
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私も書いててちょっと時間が経つとだんだん頭から抜けたりするんですけど、
平成27年税制改正において、消費税の内外判定基準の見直しが行われますね。
これにより、
電気通信回線を介して行う役務の提供の内外判定基準が
「役務の提供を行う者の事務所等の所在地」
から
「役務の提供を受ける者の住所地等」
に変更されるんですね。
これ「電子書籍・音楽・広告の配信等電気通信回線を介して行われる役務の
提供」です。
で、注意が必要なのは、
国外の消費者や事業者に電子書籍や広告の配信等を行った場合に、
(現行)
国内取引に該当し輸出免税の対象とされている。
(改正後)
国外取引(不課税)に該当する。
ということです。
どっちもそれ自体に消費税は課税されないわけですが、輸出免税はあくまで
課税売上の範疇ですから、「課税売上が減る」ということになるわけです。
課税売上割合が減りますので、この影響が大きい場合、控除対象外消費税に
影響したりしますから、確認しておきましょう。
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5.[編集後記]
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ISILは、国家樹立を目指していますね。この点で私は、オウム真理教を思い
出しました。まず、指導者は、ISILはカリフで、オウムはグルですか。
ISILには、知事がいたり、財務、軍事、法務、情報収集、メディア対応など、
国に倣った組織を置いているそうですが、オウムも、外務省、大蔵省、防衛庁、
建設省などがあり、大臣がいました。こういった過激な宗教組織は同じような
ことを目論むのでしょうか。インテリの若者が結構惹きつけられているという
点も共通しているように思います。オウムは、日本中を敵にまわし、グルもと
らえられましたが、世界中を敵にまわしたISILもカリフであるバグダディ氏
がとらえられるときがくるのでしょうか。空襲でなくなっているという噂もあ
るようでずが。
繰り返してるんですよね。こういうことを。世界は。彼らは確かに罰を受けな
ければいけないと思いますが、特に、現代のような多様な社会においては、テ
ロを起こすようになる前に、違いを認め、共存する道を拓かなければならない
と思います。なぜ、こうなってしまったのか?に思いをはせなければ、「悪夢」
ですか、は終わらないですよね。ISILの場合は事情は複雑でしょうけど。目に
は目を、だけではダメだと思います。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
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