◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.236-2014.05.21
      
  ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[IFRS]自民党IFRSへの統一を求める
2.[IFRS]IFRS任意適用、時価総額で1割超える
3.[IFRS]IAS16「有形固定資産」IAS38「無形資産」の改正
4.[最新J-GAAP]四半期会計基準、適用指針の改正
5.[税務]法人税減税の代替財源
6.[税務]問題147
7.[編集後記]

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1.[IFRS]自民党IFRSへの統一を求める
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ご承知のとおり、日本では、IFRSは任意適用+いわゆるJ-IFRSなんて言わ
れるエンドースメントされたIFRS(要するにカーヴアウトですよね)を認めよう
という動きになっています。

現在、日本でのIFRS適用会社は約40社。欧米には程遠い水準にとどまってい
ます。このため、日本では、企業側はもちろん、監査人側にもIFRS監査対応
できる人材は十分には育っていないといえると思います。

こんななか、自民党は、「自民党の日本経済再生本部(本部長・高市早苗政調
会長)が、日本の企業会計の開示ルールを早急に国際基準に統一するよう求め
る提案をまとめた」とのことです。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2014052000439

具体的にはわかりませんが、自民党も従来の方針を修正していくということな
んでしょうね。今までは、「300社程度の企業がIFRSを適用する状態になるよう
明確な中期目標を立て、その実現に向けてあらゆる対策の検討とともに、積極
的に環境を整備すべきである。」ということだったはずですが、より積極的な
表現になるのでしょうか。

自民党の2013年の提言はこちら
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/pdf111_1.pdf

実は、米市場に上場する米国外の企業の多く(2013年5月時点で450社以上)
は実はIFRSを適用しているそうです。また、世界130カ国・地域のうち105で
修正を加えないIFRS(ピュアIFRS)をほとんど全ての国内上場企業
に適用を義務づけるか、結果的に採用せざるを得ない仕組みを導入しています。
これらの動きをみると、日本だけ製造業に合わないだのなんだの言って取り残
されていていいのかということにはなりますね。

そうなると、本当にJ-IFRSってなんなの?という気がしてきます。IFRS任意適
用+J-IFRS任意適用でいいんでしょうか?

風向きが少し変わったような感じがしています。任意適用自体もまだまだ少ない
とはいえ、最近加速的に増えている感じがしています。

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2.[IFRS] IFRS任意適用、時価総額で1割超える
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経営財務のNo3163の記事を要約しておきます。

No.3163発行時点で、IFRS任意適用公表済み 42社(既に公表している会社は
17社、未公表は25社)

会社数でみれば、42/3,407(1.23%)

42社の時価総額は12.68%

時価総額は増えましたね。

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3.[IFRS]IAS16「有形固定資産」IAS38「無形資産」の改正
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これは少し気になりましたので書いておきます。
http://www.ifrs.org/Alerts/Publication/Pages/IASB-publishes-amendments-to-IAS-16-and-IAS-38-May-2014.aspx

The IASB has clarified that the use of revenue-based methods to
calculate the depreciation of an asset is not appropriate because
revenue generated by an activity that includes the use of an asset
generally reflects factors other than the consumption of the economic
benefits embodied in the asset.

ざっくりいうと、「収益に基づいた減価償却方法は適当ではない」「なぜなら、
収益は、資産が持つ経済的便益の消費以外の要素を反映しているから」というこ
とですね。

日本では、ソフトウェアの償却に見込販売収益に基づく方法がありますよね。あ
れがここで言っているrevenue-based methodにあたるようです。

こういったところにも影響が出るんですね。

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4.[最新J-GAAP]四半期会計基準、適用指針の改正
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ASBJは、「企業結合に関する会計基準」において、暫定的な会計処理の確定
の取扱いが改正されたことに伴い、
「四半期財務諸表に関する会計基準」及び「四半期財務諸表に関する会計基準
の適用指針」の改正を行いました。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/shihanki_2014/

企業結合に係る暫定的な会計処理の確定した四半期(連結)会計期間においては
企業結合日の属する四半期連結会計期間に遡って当該確定が行われたかのよう
に会計処理を行う。

というものです。

どんどん複雑になっていきますので、ご留意ください。適用時期ですが、

暫定的な会計処理の定めについては、平成27 年4 月1 日以後開始する事業年度
の期首以後実施される企業結合から適用されます。
早期適用もできますが、長くなるので詳細は原文にあたってください。

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5.[税務]法人税減税の代替財源
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法人税減税の代替財源の話題はここのところ、何度も載せていますが、政府案
の全容が判明したということです。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140517/fnc14051708050002-n1.htm

「初期の財源は、赤字を翌年度以降の黒字から差し引く欠損金の繰り越し控除
や、減価償却制度などの見直しで捻出する。さらに、政策減税の見直しや外形
標準課税の強化で、恒久財源を確保するのが柱だ。」

「初期財源として有力なのが、減価償却制度の見直しと欠損金の繰り越し控除
制度の変更だ。制度変更により当面は税収が数百億~数千億円増える方式を採
用し、財源に充てる。」

「また、恒久財源の目玉となるのが政策減税や外形標準課税の見直しだ。政策
減税では、研究開発減税の見直しなどを柱に、数百億~数千億円の確保につな
げる考え。赤字企業も対象となる法人事業税の外形標準課税については対象を
拡大し、大企業を中心に応分の負担を求める。さらに中小企業や公益法人の税
制優遇措置の段階的な縮小も実施する。」

とのことです。さあ、いよいよですね。影響がかなりでそうです。繰延税金資
産の取崩につながるのは必至ですし、各期の法人税や地方税が減ることになるで
しょう。税収のパラドックス、ねらえるか?

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6.[税務]問題147
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[問147]
Aさんには3月31日に海外子会社への3年間の出向を命じられ、4月7日に出国す
る予定です。Aさんには高校生の息子がおり、Aさんは単身で海外子会社に赴任
します。このため、日本に残った家族に留守宅手当を支給します。課税は必要
ですか?

[答]
a.必要ない。

b.20.42%(復興所得税分を含む)の税率で源泉徴収する。

c.今までと同様の源泉徴収の必要がある。

[前回の解答]
前回の正答はbです。

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7.[編集後記]
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ちょっとIFRSの風向きが変わってきましたか、ね。やはり高品質の世界で単
一の会計基準という目的自体は受け入れやすいものですからね。理解がすすん
でくれば、いずれ日本でも広範な利用がなされるようになるのではないでしょ
うか。しかし、政府の方針が変わって、また、騒ぎになるんでしょうか?まだ
まだ日本では40社程度で、経験者も限られている状況ですので、私どもでも早
期にIFRSの経験を積んでお役にたてるように頑張っていきたいと思っています。
ところで今回も遅くなってしまいましたが、めげずに続けます。今後ともご購
読お願いいたします!

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士 紺野良一
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