【Weekly accounting journal】vol.230~定率法の廃止・縮小?~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.230-2014.04.09
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
********************************************************************
【上場会社・上場準備会社グループ経営支援】
エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人は「監査人ではない」会計・
税務専門家として、会社側の視点にたった各種支援を行っています。
◎監査人ではない会計・税務専門家に相談したい等
→経営企画・CFO支援
http://www.expertslink.jp/managementsupport/advice/
◎決算・開示・税務業務の一部を専門家に外注したい等
→決算・開示サポート
http://www.expertslink.jp/managementsupport/finalaccounts/
◎担当者の実力の底上げを図りたい等
→社内勉強会・研修会
http://www.expertslink.jp/managementsupport/study/
◎問題の多い子会社を監査して適切な財務諸表を作り上げて欲しい等
→任意監査
http://www.expertslink.jp/managementsupport/audit/
◎税務顧問の変更をお考えなら
→エキスパーツ税理士法人
http://expertslink-tax.jp/
ご意見、ご質問はこちらまで
info@expertslink.jp
********************************************************************
◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務&最新J-GAAP]定率法の縮小・廃止?
2.[最新J-GAAP]「計算書類に係る附属明細書のひな型」の改正
3.[監査]欧州では監査人は10年で強制ローテーション
4.[ディスクローズ]単体開示の簡素化
5.[税務]問題141
6.[編集後記]
===================================
1.[税務&最新J-GAAP]定率法の縮小・廃止?
===================================
また見直しかあ?
日経新聞4月8日(火)朝刊に「定率法を縮小・廃止する案が浮上している」
という記事がでました。法人税実効税率引き下げの代替財源とのことですが。
有料会員限定記事
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKDASFS07035_X00C14A4EE8000
私の記憶している範囲で、過去の経緯(主なものです)を振り返ってみました。
概略を一覧しようという趣旨ですので、正確性には欠けるかもしれませんが、
おおざっぱに振り返りましょう。
(平成10年)
・建物(その附属設備を除く。)の償却方法が定額法のみとされた。
・建物の法定耐用年数が10%から20%程度短縮され、最長のものでも50年と
された。
・減価償却資産の取得価額基準が20万円から10万円に引き下げられた。
・いわゆる一括償却資産が導入された。
(平成19年)
・償却可能限度額(取得価額の95%相当額)及び残存価額が廃止され、耐
用年数経過時点に「残存簿価1円」まで償却できることとされた(新定率
法(250%定率法)、新定額法)。
・平成19年3月31日以前取得資産について、95%まで償却した翌年から5年
で残存簿価1円まで償却できることとされた。
・一部の機械装置について耐用年数が短縮された。
(平成24年)
・定率法の償却率が見直され、いわゆる250%定率法から200%定率法になっ
た。これにより耐用年数は同じでも、償却ペースが遅くなった。
こんなに変わっているんですよね。損金が増える方向だったり減る方向だった
り。で、平成2×年、定率法は例えば150%定率法になるとか、廃止されるとか
いうことになるのでしょうか?
まあ、税務はこれでいいかもしれませんけどね。さすがに会計はこれに追随し
ていいのでしょうか?そこがいつも疑問なんですよね。特に廃止された場合は
いいんでしょうか?
会計は過去、税務が変更される都度、税務に従って処理していればオッケーと
と言ってきました。しかし今回はどうでしょうか?
定率法採用にあたっては、耐用年数の前半に生産販売が偏り、後半は少なくな
る場合など、様々な理由づけをしてきたはずですから、税務が定額法のみにな
ったからといって、会計が追随していいのか?疑問ですね。
この他にも、租税特別措置の廃止・縮小、欠損金(赤字)の繰越控除制度の縮小、
配当金の益金不算入制度の縮小、中小企業の節税策縮小などが候補になってい
るようです。このメルマガでも注視してまいります。
===================================
2.[最新J-GAAP]「計算書類に係る附属明細書」のひな型
===================================
日本公認会計士協会(会計制度委員会)は、2014年4月2日、「会計制度委
員会研究報告第9号「計算書類に係る附属明細書のひな型」の改正について」
を公表しています。
財務諸表等規則の改正によって、会社法に基づいて作成される計算書類を基に
金融商品取引法の財務諸表(比較情報を含む。)として記載できることが規定
されたことを受けて、引当金の記載部分の改正が行われたものです。
具体的には
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1738.html
こちらをご参照ください。
引当金の明細に従来型の「当期減少額の欄を区分する記載」に加え、「当期
減少額の欄を区分しない記載」が用意されています。いずれかの様式で作成す
るということのようです。
===================================
3.[監査]欧州では監査人は10年で強制ローテーション
===================================
欧州議会は上場会社に10年以内に監査人を変更することを要求する新しいル
ールを制定したそうです。
http://ww2.cfo.com/auditing/2014/04/eu-enacts-10-year-auditor-rotation/
EU加盟国はこの10年の期間をさらに10年延ばすことができ、また、共同監査
の場合はさらに14年にすることができるようです。
日本はどうなるでしょうか?
===================================
4.[ディスクローズ]単体開示の簡素化
===================================
少し具体的に見ていきたいと思います。
金融庁のリンクはこちらです。
http://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20140326-1.html
まずは全体像です。
(1)連結財務諸表を作成している会社の特例
「特例財務諸表提出会社」
→連結財務諸表作成会社のうち、会計監査人設置会社(別記事業会社等を
除く)
「特例財務諸表提出会社」は以下の簡素化の特例の適用を受けることが出来ま
す。単体開示のみの会社はだめです。特例財務諸表提出会社に該当する旨、及
び特例により作成している旨の記載は必要です。
a.財務諸表の様式の簡素化(改正財規第127条第1項)
b.会社計算規則の注記の準用(改正財規第127条第2項)
(2)連結財務諸表を作成している場合の単体財務諸表における注記の免除
(3)注記項目の削除
(4)区分掲記に係る重要性基準について連結と同様の基準に見直し
(5)製造原価明細書の開示免除
(6)主な資産及び負債の内容の開示免除
(7)有価証券明細表の開示免除
(8)被合併会社の個別財務諸表の開示規定の見直し
ということですね。
平成26年3月31日以後に終了する事業年度、連結会計年度、中間会計期間及び中
間連結会計期間から適用されます。
より具体的には(まずは(1)のみですが)、
(1)連結財務諸表を作成している会社の特例
a.財務諸表の様式の簡素化
・貸借対照表 第五号の二
・損益計算書 第六号の二
・株主資本等変動計算書 第七号の二
・有形固定資産等明細表 第十一号の二
・引当金明細表 第十四号の二
かなり簡素化されます。上記リンクの別紙2、3をご参照ください。基本的に
会社計算規則に基づく記載が可能となります。
b.会社計算規則の注記の準用
・重要な会計方針
・表示方法の変更に関する注記
・会計上の見積りの変更に関する注記
・親会社株式の表示及び注記
・関係会社に対する資産・負債の注記
・担保資産の注記
・偶発債務の注記
・関係会社に係る損益計算書項目の注記
これらの注記については会社計算規則でさだめる注記に代えることができると
されています。
要は計算書類と一緒でいいということですよね。随分と変わったもんです。
===================================
5.[税務]問題141
===================================
[問141]
資産の貸付けに関して、以下の空欄の語句の組み合わせとして正しいのは?
「自動継続は、契約期間満了時に取引を継続するか否かの意思表示がなされて
おり、従来と同じ内容の取引を行うこととする契約を新たに締結したといえ
る。
したがって、25年9月30日までに(ア)が経過し自動継続された契約に基づき、
26年4月1日以後も引き続き貸付けが行われるものについては経過措置の対象
となり(イ)が適用される。
25年10月1日以後に(ア)が経過して自動継続された場合には、自動継続後の
貸付けについて経過措置は適用されないため、26年4月1日以後の期間に係る
部分から(ウ)が適用される。」
[答]
a.(ア)8% (イ)契約期間 (ウ)5%
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.(ア)5% (イ)解約申出期限 (ウ)8%
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.(ア)5% (イ)契約期間 (ウ)8%
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[前回の解答]
前回の正答はaです。
===================================
6.[編集後記]
===================================
ラノベって言われて分かります?
知らないうちに驚くほどの量の文庫本がうちの中学生の息子の部屋に存在して
おりました。聞けば「ラノベ」と言われるものだそうで、Wikipediaによると、
「表紙や挿絵にアニメ調のイラスト(≒萌え絵)を多用している若年層向けの
小説」ということのようで、まあ、今の僕的にはもちろんついていけないよう
な感じのものでした。「うちの子もオタク化したかっ?」とちょっと驚愕した
のですが、よく考えてみると、漫画ではないわけで(漫画読んでないわけでは
ありません。漫画は漫画でかなりの幅を利かせています。)、読解力は養われ
ているのかなあ、まあ、興味を持ったものはとことん極めてもらったほうがい
いかなあ、などと、その良さもかなりあるはずだと思いなおしかけているとこ
ろです。実際100冊以上、もしかすると数百冊?あると思うので、あれだけ読む
だけでも結構勉強になっているような。色んな意味で。しかしよく読んだなと
いう感じです。
新住所はこらち
http://www.expertslink.jp/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
→決算・開示サポート、内部統制、会計に強い税理士をお求めならこちら
*E-mail: <info@expertslink.jp>
転送はご自由に!
*解除はこちらから
→http://expertslink-tax.jp/mailmagazine/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~