【Weekly accounting journal】vol.213~特別償却準備金の処理確認~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.213-2013.12.03
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP&税務]復興特別法人税廃止の前倒しはほぼ確実
2.[税務]圧縮積立金は取り崩す必要があるのか?
3.[最新J-GAAP&税務]特別償却準備金の処理確認
4.[税務]簡易課税見直し
5.[税務]問題124
6.[編集後記]
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1.[最新J-GAAP&税務]復興特別法人税廃止の前倒しはほぼ確実
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復興特別法人税の廃止の前倒しは、
「自民・公明両党は2日夕に開いた与党税制協議会で、復興特別法人税の1
年前倒し廃止を正式決定した。」
とのことですね。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0JH1ZE20131202
もう一度確認しておきましょう。
東京の場合、復興期間の税率は、
(0.255+0.255*0.1+0.255*0.207+0.0326+0.029*1.48)
/(1+0.0326+0.029*1.48)≒0.3801で38.01%
復興後の期間の税率は、
(0.255+0.255*0.207+0.0326+0.029*1.48)
/(1+0.0326+0.029*1.48)≒0.3564で35.64%
となります。
変更の時期は、
「税効果会計上で適用する税率は決算日現在における税法規定に基づく税率
による。したがって、改正税法が当該決算日までに公布されており、将来の
適用税率が確定している場合は改正後の税率を適用する。」
ですからね。公布はいつでしょうか。公布の後に決算を迎える期において取
り崩す必要があるということになりますね。ああ、これで複数税率から解放
されるのかな?
影響みておきましょう!
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2.[税務]圧縮積立金は取り崩す必要があるのか?
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なんとなく、圧縮積立金は対象資産の償却に応じて取り崩す。
そう思っていませんか?ちょっと調べる機会があったので、よくよく考えてみ
ました。
法人税基本通達によると、
10-1-3 圧縮記帳による圧縮額を積立金として経理している法人が当該積
立金の額の全部又は一部を取り崩して益金の額に算入した場合において、その
取り崩した積立金の設定の基礎となった資産に係る償却超過額又は評価損の否
認金(当該事業年度において生じた償却超過額又は評価損の否認金を含む。)
があるときは、その償却超過額又は評価損の否認金の額のうち益金の額に算入
した積立金の額に達するまでの金額は、当該事業年度の損金の額に算入する。
(昭55年直法2-15「十七」、昭57年直法2-11「十」、平19課法2-3、課審
5-11により改正)
「取り崩して益金の額に算入した場合」という言い回しですよね。「取り崩し
て益金の額に算入」することが強制ではないような?
よくよく考えてみると、取得した固定資産につき、
会計上は圧縮前の取得価額で表現されている
一方で、
税務上は圧縮後の取得価額になっている
わけで、会計上償却費が計上されれば、必ず、償却超過額が発生するわけです
よね。これが除却なり売却なりで固定資産が消滅するまで蓄積されていくわけ
ですから、これだけで圧縮で損金算入された分が加算されていくことになるわ
けですよね。これでオッケーなわけです。
ですから、圧縮積立金を取り崩して、加算してしまうと、二重に加算している
ことになるわけです。ですから、同額の償却超過額を損金に算入することがで
きるという上記通達が必要になるわけです。
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3.[最新J-GAAP&税務]特別償却準備金の処理確認
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太陽光発電設備等で即時償却の処理を検討されている会社さんも多いのではな
いでしょうか?
監査を受ける必要のある会社さんであれば、全額償却費で計上することは恐ら
く認められません。重要性がなければいいですけど、結構多額になりますから
ね。
この場合の処理が税務通信No.3289に出ていましたので、それをもとに簡単
に考えてみたいと思います。
ここでは、定額法で考えられています。取得価額1億円、耐用年数17年とし
ますと、償却率0.059ですので、
普通償却限度額が590万円(1億円×0.059)
特別償却限度額が9,410万円(1億円-590万円)
です。
特別償却準備金は7年で取り崩しされますので、仕訳は以下のようになるはず
です。税務通信では税効果考慮されていない処理が記載されていますが、ここ
では税効果考慮します。実効税率35%とします。
(初年度)
減価償却費 5,900,000 / 減価償却累計額 5,900,000
繰越利益剰余金 61,165,000 / 特別償却準備金 61,165,000
法人税等調整額 32,935,000 / 繰延税金負債 32,935,000
(翌年度以降)
減価償却費 5,900,000 / 減価償却累計額 5,900,000
特別償却準備金 8,737,857 / 繰越利益剰余金 8,737,857
繰延税金負債 4,705,000 / 法人税等調整額 4,705,000
この場合結局、課税所得はどうなってるんでしょう?
1年目 100,000,000円の損金
2年目以降8年目まで 7,542,857円×7≒52,800,000円の益金
(※8,737,857円+4,705,000円-5,900,000円=7,542,857円)
9年目以降17年目まで 5,900,000円×9≒52,800,000円の損金
こんな動きするんですね。これはあまりうまくないですよね。
特別税額控除が選択できるのであればそのほうがよいですね。これでは。
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4.[税務]簡易課税見直し
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政府・与党は簡易課税による益税を見直します。
有料記事
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS29050_Z21C13A1EE8000/
「保険代理店などの金融保険業や小規模な不動産業者の納税負担が来年度から
増えることになる。」
ようです。
みなし仕入税率が実態よりも高いとのことですね。ある意味あたりまえなので
すが(実態よりも高くなかったら簡易課税適用しないところが多いでしょう。)。
「特に金融保険業と不動産業で実際との乖離(かいり)が大きく、政府・与党
はこの2業種の仕入れ率を見直す検討を始めた。」
具体的には、
金融保険業は60%から50%に
不動産業は50%から40%に
とのことです。
ご留意くださいませ。
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5.[税務]問題124
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[問124]
次のうち、正しい言葉の組み合わせはどれ?
「(ア)とは、2つの会社が1つの会社になることです。その態様には2つあり
ます。(ア)する会社の一方が消滅し他方が存続する(イ)と、(ア)する会社のす
べてが消滅して新たな会社を設立する(ウ)です。」
[答]
a.(ア)分割、(イ)吸収分割、(ウ)新設分割
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.(ア)合併、(イ)吸収合併、(ウ)新設合併
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.(ア)株式交換、(イ)吸収株式交換、(ウ)新設株式交換
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[前回の解答]
前回の正答はbです。
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6.[編集後記]
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今日、娘に「サンタさんに何頼んだの?」と聞いてみると、「サンタさんっ
て、パパとママなの?」と切り返されました。思わず「おっ」とか言って「は
はは」と、笑ってごまかそうとしました。「そんなわけないでしょ」とママ。
その後は、なぜ、そう思うかについて娘が話してくれました。その理由は、お
兄ちゃんに聞いたというものと、お友達のクリスマスカードとうちのクリスマ
スカードに書いてある字が違う、というものでした。お兄ちゃんは余計なこと
して、と思いつつ、後者の理由はなかなか面白いな、と思いました。よくよく
聞いてみると、お友達のクリスマスカードに書いてある文字は英語なんだそう
で、うちのはひらがなだと。なるほど、色々みているもんですね。子供も。ク
リスマスカードは英語で書いたほうがいいかもですよ。皆さん。
その後は妻が何かと言いつくろっていましたが、僕はもうそろそろいいんじゃ
ないの?と思いつつ、「いってきま~す。」と逃げてきました。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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