【Weekly accounting journal】vol.199~損失準備金~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.199-2013.08.27
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]年度末は退職給付会計ですよ(その4)!
2.[税務]納税優良企業、税務調査の負担軽減
3.[税務]赤字事業分離に損失準備金
4.[税務]問題110
5.[編集後記]
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1.[最新J-GAAP]年度末は退職給付会計ですよ(その4)!
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また続きです。
[何が変わるか]
以下六点です。
(1)未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の処理方法
(2)退職給付債務及び勤務費用の計算方法
(3)開示の拡充
(4)複数事業主制度の取扱の見直し
(5)長期期待運用収益率の考え方の明確化
(6)名称等の変更
[来期首から適用されるのは何?]
(2)退職給付債務及び勤務費用の計算方法
(6)名称等の変更
(2)退職給付債務及び勤務費用の計算方法
退職給付債務の計算は、おおざっぱにいうと以下の流れになります。
ア.従業員ごと、将来の各期ごと、退職事由ごとの退職給付額を見積もる。
イ.期末までに発生していると認められる額を計算する。
ウ.退職給付債務を計算する。
ここでの(2)退職給付及び勤務費用の計算方法、で言っているのは、上記のイ.
の部分です。従業員ごと、将来の各期ごと、退職事由ごとの退職給付額を見積
もり、その金額を勤務期間に割り振り、期末までに発生していると認められる
額を計算するときの、そのやり方です。
このやり方は2通りあります。
a.退職給付見込額について全勤務期間で除した額を各期の発生額とする方法
(「期間定額基準」)
b.退職給付制度の給付算定式に従って各勤務期間に帰属させた給付に基づき見
積った額を、退職給付見込額の各期の発生額とする方法
(「給付算定式基準」)。
→この方式による場合、勤務期間の後期における給付算定式に従った給付が、
初期よりも著しく高い水準となるときには、当該期間の給付が均等に生じると
みなして補正した給付算定式に従う必要があります。
従来はa.期間定額基準が原則とされていましたが、改正後はa.期間定額基準また
は給付算定式基準になるわけです。
(6)名称等の変更
(改正前)退職給付引当金
↓未認識債務等を加えて、
(改正後)退職給付に係る負債
(改正前)過去勤務債務
↓
(改正後)過去勤務費用
(改正前)期待運用収益率
↓
(改正後)長期期待運用収益率
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2.[税務]納税優良企業、税務調査の負担軽減
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平成25年8月26日、日本経済新聞に、「納税優良企業、税務調査の負担軽減、
頻度少なく」という記事が出ましたのでご紹介します。
有料会員限定記事です。悪しからず。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2303N_W3A820C1MM0000/
(概要)
税務に関するコーポレートガバナンスの体制が優れていると認められる大企業
を対象に、1~3年に1回行っている税務調査の頻度を減らす。
(適用計画)
7月からまず十数社に適用、対象企業を順次、増やす。
(ねらい)
国際的な租税回避策など複雑化する調査に限られた人的資源を有効活用する。
(対象)
全国11国税局の調査部が書簡する法人のうち、資本金が40億円以上などの大企
業約500社。全法人数の0.02%。申告所得額は9兆円と全法人37兆円の4分1を占め
る。
(方法)
500社のうち、税務に関するコーポレートガバナンスの体制をA~Dの4段階で判
定。A段階の企業から過去に悪質な所得隠しの指摘がないかなどを考慮し、十数
社を選び、申告漏れなど税務上の指摘を受ける可能性が高い取引を自主開示す
ることを条件として調査を省略する。
「申告漏れなど税務上の指摘を受ける可能性が高い取引を自主開示する」なん
て、できるんでしょうか?可能性が高かったらこういう優良会社は否認してい
るのではないかと、、、。
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3.[税務]赤字事業分離に損失準備金
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平成25年8月22日、日本経済新聞に、「赤字事業分離に税優遇 政府検討、
再編統合後押し」という記事が出ましたのでご紹介します。
これも有料会員限定です。悪しからず。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF22006_S3A820C1MM0000/
(問題意識)
現行税制では、不採算事業を分離すると赤字が減り、法人税の課税所得が増え
る。企業が事業統合に及び腰になる面がある。
(新制度案)
統合会社に出資した株式の「損失準備金」の積立を認める。統合会社の株価下
落に備えるもので、準備金を費用として計上することで利益が減り、納税額も
圧縮できる。
積立金の積立期間は10年、それ以降は取り崩す。長期間でならすと納税額は変
わらない。
税優遇だけでは再編が進まないのではないかとの懸念もあるため、供給過剰が
解消しない業界を公表する。
(政府の意図)
事業再編の加速
会計上も子会社株式等について投資損失引当金という制度があります。上記の
ものは準備金を費用として計上するということですから、両者をリンクさせて
適用すると、なにやら複雑になりそうですね。
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4.[税務]問題110
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[問110]
株式を相互に持ち合っているA社及びB社の株式を評価します。
X;A社の所有するB社株式の相続税評価額
Y;B社の所有するA社株式の相続税評価額
とすると、両者には以下の関係が成り立ちます。
X=α(B+Y)
Y=β(A+X)
A,B,α,βの組み合わせで正しいものはどれ?
[答]
a.
A=A社の、B社株を除く各資産の相続税評価額の合計額から、各負債の金額の合
計額を控除した金額
B=B社の、A社株を除く各資産の相続税評価額の合計額から、各負債の金額の合
計額を控除した金額
α=B社の発行済株式数のうちA社が所有する株式の割合
β=A社の発行済株式数のうちB社が所有する株式の割合
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.
A=B社の、A社株を除く各資産の相続税評価額の合計額から、各負債の金額の合
計額を控除した金額
B=A社の、B社株を除く各資産の相続税評価額の合計額から、各負債の金額の合
計額を控除した金額
α=B社の発行済株式数のうちA社が所有する株式の割合
β=A社の発行済株式数のうちB社が所有する株式の割合
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.
A=A社の、B社株を除く各資産の相続税評価額の合計額から、各負債の金額の合
計額を控除した金額
B=B社の、A社株を除く各資産の相続税評価額の合計額から、各負債の金額の合
計額を控除した金額
α=A社の発行済株式数のうちB社が所有する株式の割合
β=B社の発行済株式数のうちA社が所有する株式の割合
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[前回の解答]
前回の正答はcです。
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5.[編集後記]
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今回もまた水曜日になってしまいました。なかなか火曜12:00ぴったりを維持す
るのは難しいですね。あまり無理はせず、これからは火曜から水曜のどこかで
ご提供する位の気持ちで続けたいと思います。皆様にお会いしたときに「いつ
も読んでますよ」というお話をうかがえるのがなによりも励みになります。こ
れからもがんばりますのでよろしくお願いします。
最近、日本の素晴らしさを再確認しています。水、空気、四季に恵まれた気候、
豊かな自然、礼儀正しい人々、食事のおいしさ、ラーメンも世界中に広まって
るようですね。整った教育制度、ごみの落ちていない道路、走る車のきれいな
こと、コンビニ、アニメ、漫画、そういえばこの間、コミケの関係のライブを
みました。あれもすごかったな。ゲーム、野球やサッカーも一流選手一杯いま
す。ノーベル賞受賞者もね。新幹線、郵便制度、正確すぎて泣けてきます。犯
罪の少なさ、ファッション、伝統、先端技術。これからは資源も出そうですし
ね。もうきりがないですね。なんて素晴らしい国に生まれ、生きているんだろ
う、本当にありがたいことだと思っています。
日本って実は外国からみれば、かなりうらやましいものがたくさんあるように
思います。外人の方にはたくさん日本に来てもらって、日本ファンを増やして、
これからは日本の素晴らしいもの、日本らしさを、どんどん輸出する。ジャパ
ンこそスタンダードに!これだ!なんて勝手に思ってる今日この頃です。
お、次200号ですね。とうとう。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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