【Weekly accounting journal】vol.197~海外子会社「指導」と税務~
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☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]年度末は退職給付会計ですよ(その2)!
2.[税務]海外子会社の「指導」の考え方
3.[税務]消費税経過措置Q&A
4.[会社法]問題108
5.[編集後記]
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1.[最新J-GAAP]年度末は退職給付会計ですよ(その2)!
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前回の続きです。
[何が変わるか]
以下六点です。
(1)未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の処理方法
(2)退職給付債務及び勤務費用の計算方法
(3)開示の拡充
(4)複数事業主制度の取扱の見直し
(5)長期期待運用収益率の考え方の明確化
(6)名称等の変更
[今期末から適用されるのは何?]
(1)未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の処理方法
前回提示
(3)開示の拡充
以下のような開示が必要になります。軽く目を通しておきましょう。
ア.退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
期首における退職給付債務 200,000
勤務費用 6,900
利息費用 6,000
数理計算上の差異の当期発生額 500
退職給付の支払額 △ 11,200
過去勤務費用の当期発生額 750
その他 △ 450
期末における退職給付債務 202,500
イ.年金資産の期首残高と期末残高の調整表
期首における年金資産 140,000
期待運用収益 5,250
数理計算上の差異の当期発生額 △ 1,050
事業主からの拠出額 10,300
退職給付の支払額 △ 8,100
その他 100
期末における年金資産 146,500
ウ.退職給付債務及び年金資産と貸借対照表に計上された退職給付に係る
負債及び資産の調整表
積立型制度の退職給付債務 151,500
年金資産 △ 146,500
5,000
非積立型制度の退職給付債務 51,000
貸借対照表に計上された負債
と資産の純額 56,000
退職給付に係る負債 58,000
退職給付に係る資産 △ 2,000
貸借対照表に計上された負債
と資産の純額 56,000
エ.退職給付に関連する損益
勤務費用 6,900
利息費用 6,000
期待運用収益 △ 5,250
数理計算上の差異の
当期の費用処理額 2,000
過去勤務費用の当期の費用処理額 200
その他 50
確定給付制度に係る退職給付費用 9,900
オ.その他の包括利益等に計上された項目の内訳
過去勤務費用 △ 550
数理計算上の差異 450
合 計 △ 100
カ.その他の包括利益累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳
未認識過去勤務費用 2,550
未認識数理計算上の差異 8,000
合 計 10,550
キ.年金資産の主な内訳
債 券 48%
株 式 39%
現金及び預金 8%
その他 5%
合 計 100%
事前に検討しておきましょう。対応、大丈夫でしょうか。
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2.[税務]海外子会社の「指導」の考え方
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月刊国際税務2013.8vol.33に海外子会社との取引に関する記事がありました
ので、これを参考に記載してみます。
「海外子会社に会計・税務の指導を行うために当社社員を派遣する場合に、給
与等、派遣に伴う費用すべてを当社が負担する場合」の税務上の取扱です。
ここでおさえておくべきは、国税庁が発遣する移転価格事務要領2-9です。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/010601/02.htm
以下のようなプロセスで検討します。
○この派遣等が当該国外関連者にとって経済的又は商業的価値を有するかどう
か?
すなわち、
当該国外関連者と同様の状況にある非関連者が他の非関連者からこれと同じ活
動を受けた場合に対価を支払うかどうか、
又は
当該法人が当該活動を行わなかったとした場合に国外関連者自らがこれと同じ
活動を行う必要があると認められるかどうか
→(yes)国外関連取引に該当する役務提供に該当する→移転価格の検討必要
→(no)国外関連取引に該当する役務提供に該当しない→当社が諸経費を負担す
べき
※役務提供取引に該当しないものの例示
長いので、概略記載します。詳細は、上記移転価格事務要領2-9をご参照くだ
さい。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/010601/02.htm
イ 重複する活動(「重複活動」)
ロ 株主としての活動(「株主活動」)
例えば
・親会社が実施する株主総会の開催や株式の発行など、親会社が遵守すべき法
令に基づいて行う活動
・親会社が金融商品取引法に基づく有価証券報告書等を作成するための活動
「有価証券報告書等を作成するための活動」が役務提供取引に該当しない、と
されていることにご注意ください。
○経済的商業的価値を有する場合
この指導に関して、海外子会社から独立企業間対価を収受する必要があります。
○経済的商業的価値を有しない場合
当社による当社のための活動経費として、その諸経費を当社が全額負担すべき
であるということになります。
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3.[税務]消費税経過措置Q&A
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国税庁から、平成25年3月25日、「平成26年4月1日以後に行われる資産の
譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈
通達)」のQ&Aが出されています。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/2191.pdf
引き続きご紹介します。かいつまんで記載しますので、実際の適用にあたって
は上記本文を参照してください。
(問24)
改正令附則第4条第5項では、工事の請負に係る契約に類する契約として、
「測量、地質調査、工事の施工に関する調査、企画、立案及び監理並びに設計、
映画の制作、ソフトウエアの開発その他の請負に係る契約(委任その他の請負
に類する契約を含む。)」と規定していますが、「その他の請負に係る契約」
及び「委任その他の請負に類する契約」とは、どのような契約をいうのですか。
【答】
「その他の請負に係る契約」
修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、技術援助、情報の提供に係る契約等
「委任その他の請負に類する契約」
検査、検定等の事務処理の委託、市場調査その他の調査に係る契約等
引き続きご紹介していきます。ご検討ください。
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4.[会社法]問題108
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[問108]
(ア)とは、存続株式会社等が、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に交付
する対価が、原則として存続株式会社等の純資産額の(イ)以下であることが要
件である。存続株式会社等にとっては、その純資産に重大な影響を及ぼすとま
ではいえないので、存続株式会社等において(ウ)の承認が不要とされる。
[答]
a.(ア)簡易組織再編等 (イ)5% (ウ)株主総会
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.(ア)略式組織再編等 (イ)20% (ウ)取締役会
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.(ア)簡易組織再編等 (イ)20% (ウ)株主総会
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[前回の解答]
前回の正答はcです。
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5.[編集後記]
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いくら税金払わなければならないのかというのは、経営者の関心事ですよね。
この観点でのおつきあいをさせていただくのは税理士のみです。そしてこの関
係は通常長く続きます。考えてみれば、税理士は会社と長く深いおつきあいを
させていただくという点で非常に特徴を有しています。生命保険、借入金、資
産運用等、会社とオーナー個人のことを理解しながら、CFOの役割を果たし続
けることが出来る、唯一の仕事ではないでしょうか。なんでもご相談ください。
なんでもお答えします。もちろんお答えできないものもありますけど、お答え
する努力をいたします。代替案を検討します。保険等金融商品による運用等に
関しては、販売当事者ではありませんので、会社、オーナーのために本当に有
利なものを選択しうる立場にあります。
最近、新たな発見をしたような感覚をもっています。
info@expertslink.jp
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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