【Weekly accounting journal】vol.194~四半期税金費用での法定実効税率~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.194-2013.07.23
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]四半期税金費用簡便法で法定実効税率の場合とは?
2.[税務]OECDの企業課税ルール抜本的見直しって画期的!
3.[最新J-GAAP]繰延税金資産の回収可能性判断基準はこのままでいいか?
4.[税務]問題106
5.[編集後記]
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1.[最新J-GAAP]四半期税金費用簡便法で法定実効税率の場合とは?
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四半期の税金・税効果計算は、原則的方法に代えて見積実効税率による簡便法
が認められています。
見積実効税率による方法とは、
「税金費用=税引前四半期純利益×見積実効税率
により算出します。この見積実効税率とは、
見積実効税率=予想年間税金費用/予想年間税引前当期純利益
で、
予想年間税金費用
=(予想年間税引前当期純利益±一時差異等に該当しない差異)×法定実効税率
です。」
今回改めて考えたいのは、「見積実効税率が使用できない場合」です。
(1)予想年間税引前当期純利益がゼロ又は損失となる場合
(2)予想年間税金費用がゼロ又はマイナスとなる場合
(3)上期と下期の損益が相殺されるため、一時差異等に該当しない差異に係る
税金費用の影響が予想年間税引前当期純利益に対して著しく重要となる場
合
このような場合には、上述の見積実効税率を用いて税金費用を計算すると著し
く合理性を欠く結果となるので、法定実効税率を用いて計算しなければならな
いこととされています。
それでは、この法定実効税率を用いて計算する方法とはどのような計算なので
しょうか?
法定実効税率による方法とは、
「税金費用
=税引前四半期純利益(±重要な一時差異等に該当しない差異)×法定実効税率
です。」
もう一度書いておくと、
見積実効税率による方法とは、
「税金費用=税引前四半期純利益×見積実効税率」
法定実効税率による方法とは、
「税金費用
=税引前四半期純利益(±重要な一時差異等に該当しない差異)×法定実効税率」
です。ここで、見積実効税率を算出する際の式を思い出しましょう。
見積実効税率=予想年間税金費用/予想年間税引前当期純利益
予想年間税金費用
=(予想年間税引前当期純利益±一時差異等に該当しない差異)×法定実効税率
でした。この「予想年間税金費用」は上述の「法定実効税率による方法」と
同じ方法で算出されていることにご注目ください。
つまり、おおざっぱに言って、「法定実効税率による方法」で税金費用を年
度の予想ベースで算出して、同じ年度予想ベースの税前利益で割戻したもの
が「見積実効税率」なのですね。
で、あれば全ての四半期で「法定実効税率による方法」でやればいいんじゃ
ないかと思ってしまいます。
現行制度上は、基本「見積実効税率」で、例外的な場合に「法定実効税率」
を用います。これはなぜでしょう?
明確に書いてないのでわかりませんが(すみません)、「見積実効税率」は第
1四半期で一度出してしまえば、基本的に第2,3でも使用できますので楽です
よね。そういうことなのではないかと思います。
それでは、「見積実効税率」を使用すると上記の(1)~(3)では、上手い
数値が出ないわけですが、それはなぜでしょう。「見積実効税率」を使用す
ると、一時差異の影響は各四半期で平準化されます。
例えば、第二四半期=中間で考えますが、法定実効税率40%とすると、
上期
税引前中間純利益 △ 1,000
交際費 100
将来減算一時差異発生額 300
課税所得 △ 600
下期
税引前中間純利益 1,200
交際費 100
通期
税引前中間純利益 200
交際費 200
将来減算一時差異発生額 300
ここで、見積実効税率を出すとどうなるか、(200+200)×40%/200=80%となり
ます。上期、下期、通期すべて見積実効税率と法定実効税率で税金費用を出
してみましょう。
税金費用 税前
見積実効税率 上期 △800 △1,000
下期 960 1,200
通期 160 200
税金費用 税前
法定実効税率 上期 △360 △1,000
下期 520 1,200
通期 160 200
見積実効税率では大きくぶれてしまうことがわかりますね。
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2.[税務] OECDの企業課税ルール抜本的見直しって画期的!
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かなり画期的なんじゃないでしょうか?
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96I07B20130719
G20は7月19日、経済協力開発機構(OECD)が作成した多国籍企業の課税回避を
阻止することを目的とする課税ルールの抜本的見直し案を支持しました。
「現行の課税制度では、企業内契約が利益が発生した国から税率が低いある
いは免除されている国へ利益を明らかに移転するようなものでも、それを尊
重している。OECDによると、新たなルールでは経済的実態がより重要となる。」
「OECDは国際的に適用可能な具体的措置を今後2年で策定する必要がある。行
動計画は、ハイテク、医薬品、消費者関連の企業が活用する課税回避策を挙
げ、その中には主要な事業を行っている国に租税の対象となる「恒久的施設」
を作らない手法が含まれている。」
これは、アップル、グーグル、スターバックスなどが行っている大規模な租税
回避策を指すんでしょうね。今後の動きに注目です。
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3.[最新J-GAAP]繰延税金資産の回収可能性判断基準はこのままでいいか?
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繰延税金資産の回収可能性判断基準。悩まされている方も多いのではないでし
ょうか?
ご存じのように、「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱」
(監査委員会報告第66号)では、1~5まで会社区分が設定されており、3,4但し
書などでは「5年」という期間が設定されています。これは、今は昔、2度の
税制改正が行われる前の繰越欠損金の回収期間が5年であったことと無関係で
はないはずです。
ところが、その後2度の税制改正を経て、繰越欠損金の回収期間は9年になっ
てたりしますね。このため、上記監査委員会報告第66号自体、見直しが必要
なのではないか?という議論があるようです。
これにつき、監査人側は慎重なようです。まあ、確かに、5年以上はちょ
っと長いですよね。でも、5年って根拠はなんなの?といわれると繰越欠損
金の回収期間が変わってしまった以上、根拠を失っているように思います。
見直しが必要なように思いますが、、、企業会計基準委員会(ASBJ)の
審議テーマを提言する「基準諮問会議」では、この見直しは、新規テーマと
して決定されず、保留とされたようです。
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4.[税務]問題106
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[問106]
定期保険で
契約者 会社
被保険者 役員のみ
保険金受取人 被保険者の遺族
の場合、
の毎月の保険料100はどのように処理すべきですか?
[答]
a.保険料積立金 50 / 現金・預金 100
福利厚生費 50
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.保険料 100(役員給与扱い) / 現金・預金 100
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.保険料積立金 100 / 現金・預金 100
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[前回の解答]
前回の正答はaです。
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5.[編集後記]
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私どもエキスパーツリンクでも保険の代理店登録をいたします。私も保険の一
般課程の試験に合格しましたし、代表の角田は、一般に加え、専門にも合格し
ました。今後は様々な保険を利用したファイナンシャルプランのご提案もでき
ればいいなと思っています。これに加え、航空機リース、太陽光発電装置、社
会保険の軽減等々、数々の周辺商品もご提案できればいいなと思っています。
ますます厚みを増して頑張ってまいりますので、何かご要望等ございましたら、
なんでもお申しつけください!
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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