【Weekly accounting journal】vol.187~不動産取得時の固定資産税相当額~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.187-2013.06.04
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]不動産取得時の固定資産税相当額
2.[IFRS]全ての上場企業が任意適用可能に!
3.[税務]消費税経過措置Q&A
4.[税務]問題99
5.[編集後記]
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1.[税務]不動産取得時の固定資産税相当額
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不動産取得時に、土地・建物の取得に際し、取得日以後の期間に係る固定資産
税相当額を売主に支払う場合がありますよね。
この分について法人税、消費税の取扱はどうなっているでしょう?
答えは、
・法人税上は、土地・建物いずれも取得価額に算入します。
・消費税上は、土地分は非課税ですが、建物分は課税になります。
一方で、ご存じのように、固定資産税などの賦課課税方式による租税について
は、賦課決定のあった事業年度に損金算入されます。
であれば、期間割で負担することになる固定資産税なのだから、損金算入され
てよいのではないかという疑問がわいてきます。
これについては、ある事例によれば、「地方税法上、固定資産税等の納税義務
者は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者である。
これは賦課期日後に所有者が移動しても同じであり、同日後に固定資産の所有
者となった者が納税義務を負うことはない。従って、固定資産の売買の当事者
間において売買後の期間に対応する、いわゆる”未経過分の固定資産税等相当
額”が収受されたとしても、買主において、地方税法上の納税義務に伴う固定
資産税等を負担したとみることはできない。」
とされています。このため、法人税上は、土地分は土地の取得価額、建物分は
建物の取得価額に含める必要があるわけです。消費税上は、土地は非課税、建
物分は課税となりますので、そのように処理する必要があるわけです。
消費税は通達があります。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/10/01.htm
要するに国なり、自治体なりに直接支払う場合は、損金算入されますが、譲渡
人と譲受人の当事者間でのやりとりは租税公課そのものではないということな
んですね。
ご確認ください。
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2.[IFRS]全ての上場企業が任意適用可能に!
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金融庁の企業会計審議会は、5月28日、IFRSへの対応について以下の議題に
つき、話し合いを持っています。
(1)IFRS任意適用要件の緩和について
(2)IFRSの適用の方法について
(3)単体開示の簡素化について
ここでどのような話し合いがなされたか、みてみましょう。
(1) IFRS任意適用要件の緩和について
任意適用要件の緩和についてですが、もともと任意適用の要件は、
イ 発行する株式が金融商品取引所に上場されていること
ロ 有価証券報告書において、連結財務諸表の適正性を確保するための特段の
取組みに係る記載を行っていること
ハ 指定国際会計基準に関する十分な知識を有する役員又は使用人を置いてお
り、当該基準に基づいて連結財務諸表を適正に作成できる体制を整備して
いること
ニ 当該会社、親会社、その他の関係会社等が次の要件のいずれかを満たすこ
と
1 外国の法令に基づき、国際会計基準に従って作成した企業内容等に関す
る書類を開示していること 業の類型を規定
2 外国金融商品市場の規則に基づき、国際会計基準に従って作成した企業
内容等に関する書類を開示していること
3 外国に連結子会社(資本金の額が20 億円以上のものに限る)を有して
いること
でした。
この状況下での任意適用状況は、
有価証券報告書提出企業数4,061
-上場企業数3,550
-外国に資本金20億円以上の連結子会社を有する企業621
-IFRS任意適用企業20
-IFRS非適用企業 601
-外国に資本金20億円以上の連結子会社を有しない企業2,929
-非上場企業数511
ということで、外国に資本金20億円以上の連結子会社を有する企業は621社で
すから、全体の15%で、そのうちIFRS任意適用企業は20社ですから、全体から
みれば、0.5%位にすぎないということになるわけです。
ここで話しあわれた任意適用要件の緩和は、イの上場要件と、二3の外国連結
子会社(資本金20億円以上)を有することの緩和です。イについては、あまり
聞こえてきませんが、様々な媒体で、「最大で全ての上場企業が任意適用をで
きるようにする」という報道がなされていますので、二3の要件は緩和という
方向になりそうですね。「最大で」というのは、任意適用であるということと、
その他にも要件があるわけですから、このような表現になるのでしょうね。
(2) IFRS任意適用の方法について
我が国で使用できる会計基準が、J-GAAP、US-GAAP、Pure IFRS、新基準、とな
ることについてどのように考えるかが話しあわれています。
この新基準とは、PureなIFRSと現行日本基準との中間に位置するものであ
り、IFRSをエンドースメントしたものとして話しあわれているようです。エ
ンドースメントとは自国基準へIFRSの個別基準を取り込むことと考えていいよ
うなのですが、分かりにくいですね。この際の判断基準としては、例えば、以
下のような点を勘案することが考えられるようです。
・ノンサイクリング
・のれんの非償却
・非上場株式の公正価値測定
・子会社、関連会社の報告日が異なる場合の取扱
(3)単体開示の簡素化について
ここでは、
1貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書に関して
・経団連モデルを使用している場合など、会社法の計算書類と金商法の財務諸
表とで開示水準が大きく異ならない項目について会社法の要求水準に統一す
ることを基本としてはどうか
2注記事項、付属明細表、主な資産・負債の内容に関して
・会社法の計算書類と金商法の財務諸表とで開示水準が大きく異ならない項目
について会社法の要求水準に統一することを基本としてはどうか
・会社法の計算書類で開示されなくても、金商法の連結財務諸表において連結
ベースで情報が開示されている場合には、金商法の個別ベースの開示を免除
することを基本としてはどうか
等
が話し合われています。
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3.[税務] 消費税経過措置Q&A
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国税庁から、平成25年3月25日、「平成26年4月1日以後に行われる資産の
譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈
通達)」のQ&Aが出されています。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/2191.pdf
引き続きご紹介します。かいつまんで記載しますので、実際の適用にあたっては
上記本文を参照してください。
(問17)
工事の請負等の税率等に関する経過措置
【答】
事業者が、
平成8年10月1日から平成25年9月30日までの間に締結した
工事の請負に係る契約、製造の請負に係る契約及びこれらに類する一定の契約
に基づき、
施行日(平成26年4月1日)以後に当該契約に係る課税資産の譲渡等を行う場合、
旧税率が適用されます。
(問18)にこの経過措置の適用対象となる契約の範囲が記載されていますのでご参
照ください。
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4.[税務]問題99
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[問99]
次のうち、税理士がその業務の対象とできるものはどれ?
[答]
a.印紙税
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.関税
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.酒税
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[前回の解答]
前回の正答はbです。
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5.[編集後記]
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専門家や政治家で、全体を見ずに一部の揚げ足とりで批判だけする人間ってあ
る意味責任を放棄していますよね。逃げですよね。場合によっては誤解に基づ
いている場合もあります。理解しようとしないという感じですか。そんなのは
本当に失格ですね。
物事に完璧に良いことなんてあるんでしょうか。ある事象につき、デメリット
が見つかれば、そのデメリットに関する批判が当然でます。本来、デメリット
とメリットを比較衡量し、よりより方向に導くことが専門家なり政治家の使命
だと思いますが、批判の立場から、やいのやいの、そのことで自分は善人とい
わんばかり。これでは専門家なり政治家の使命を果たせないですよね。このこ
とでクライアントや国民の信頼を逆に毀損している人間が結構いるように感じ
ています。
税理士の立場は、納税者に対して正すべきものは正すとともに、その利益を正
しく擁護するものです。また、議員は全国民を代表するものであり、特定の団
体や地域の代表ではないはずです。
わけのわからない話でした。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
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