【Weekly accounting journal】vol.177~IFRS金融商品減損改正案~
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☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[NEWS]オリンパスから依頼された公認会計士の懲戒処分
2.[税務]消費税の確実な転嫁を~悪質なら企業名公表~
3.[法務]民法改正中間試案
4.[IFRS]「金融商品の減損」改正案
5.[法務]問題89
6.[編集後記]
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1.[NEWS]オリンパスから依頼された公認会計士の懲戒処分
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独立した公認会計士なんて、吹けば飛ぶような小さな存在なのでしょうね。
例のオリンパスの損失隠し事件に係り、国内三社の企業価値算定業務を行った
公認会計士が金融庁により処分されました。業務停止三か月だそうです。
http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20130322-2.html
(省略)職業専門家たる公認会計士として、正当な注意を払って適切な判断で誠
実に価値算定を行ったとは認められず、(省略)信用失墜行為の禁止に違反する
と認められる。
記
(1)(省略)情報が十分に得られず、適切な価値算定を行い得る状況になかった
とみられるにもかかわらず、価値算定を行った。
(2)(省略)何らか悪用されるのではないかといった観点から、正当な注意を払
い、当該価値算定の受嘱の可否を含めより慎重な対応をすべきであったに
もかかわらず、そうした対応をとらずに価値算定を行った。
(3)(省略)不確実性の高い事業計画期間以降の事業の成長性に関して自らの判
断で相当に高い成長率を仮定したものとなることを認識していたとみられ
るにもかかわらず、事業計画の実現可能性や事業計画期間以降の事業の成
長性に関する様々な可能性を十分に考慮した検討をせずに価値算定を行っ
た。
(1)からは価値算定を行うには十分な情報がなければ行い得ないこと、(2)か
らは価値算定の目的について正当な注意を払い、慎重な対応をすべきこと、
(3)からは提供された事業計画のみを鵜呑みにしてはいけないということが
わかります。
株価算定は会計士が都合のいい数字を作ってくれる、それが会計士の仕事だ
などという考える風潮が世間にあるように思うこともしばしばあります。
会計士の側でも安易に引き受けてはいけないですよね。「あの会計士ならや
ってくれる」と依頼者に思われることが、「信頼を得た」、ということでは
ない、ということ、もう一度思い返したいと思います。実際には線引きは難
しいのかもしれませんが。
このような話を聞くと、もちろん安易に引き受けた側が悪いという思いも強
くありますが、一方で、何やらいいように使われる我々専門家の哀れな面を
感じ、世間ももう少し理解してほしいなと思います。これで人生大きく狂い
ますからね。
ちなみにこの会計士さんの株主価値算定報告書、世に出回ってるみたいです
ね。かわいそうに。
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2.[税務]消費税の確実な転嫁を~悪質なら企業名公表~
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消費税率の引き上げに伴い、政府が確実な転嫁を促すよう法案を検討している
旨、以前からお伝えしているところかと思います。
価格転嫁を円滑にする特別措置法案が閣議決定されました。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2200I_S3A320C1MM0000/?dg=1&n_cid=DSGGL001
これにより、概ね、
・大手スーパーなどによる「消費税還元セール」を禁止されます。
・仕入れ側が納入業者に値下げを迫り増税分の上乗せを拒んだ場合は公正取引
委員会が是正を勧告します。
・転嫁拒否の実態を調べる調査官を各省庁に置き、監視体制を強化します。
・消費税還元セールも禁止されます。増税分のポイント還元もだめです。
・納入業者が資本金3億円以下の中小企業の場合、仕入れ側企業が増税分の価
格転嫁を拒否することを禁じます。価格転嫁と引き換えに仕入れ側の企業の
商品を購入させるといった行為も禁止です。
・違反した場合は業界を所管する省庁などが指導します。公正取引委員会は悪
質な場合に是正を勧告し、企業名を公表します。
・中小企業が価格転嫁をしやすいように、独占禁止法で禁止されているカルテ
ルを一部容認します。
・小売りの現場での価格表示は、事務負担を軽減するため、税額を含めた価格
表示を義務付ける「総額表示義務」を時限措置として緩め、「100円+税」
のように、本体価格と税を分けて表示することを認めます。
ということになります。今の景気情勢ですと、おそらく増税は行われるでしょ
うから、消費者はあきらめて2014年4月から8%、15年10月から10%の消費税を払
うしかないですかね。
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3.[法務]民法改正中間試案
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民法の債権部分が改正されようとしています。
法務省の民法(債権関係)部会第71回会議(平成25年2月26日開催)に
おいて,「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」が決定されています。
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900184.html
今回情報提供にとどめます。いずれ少し詳細にご紹介したいと思います。
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4.[IFRS]「金融商品の減損」改正案
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IASBは2013年3月7日、「金融商品の減損」
(The impairment of financial instruments)の改正案を公表しています。
従来は、IFRSでもUSGAAPでも、発生損失モデル(incurred loss model)が採用
されていましたが、今回の金融危機において、損失の認識が遅れ、信用損失の
正確性を反映していなかったという批判がなされていました。金融危機の抑制
に役割を果たしていなかったというわけです。
IASBのモデルは予想損失モデル
(a more forward-looking provisioning model, which recognizes expected
credit losses on a more timely basis.)ということになります。
今回はIASBとFASBで共同開発が行われていたわけですが、これが結局別々の基
準案を公表したことになります。
IASB議長は次のように述べています。
“Our proposals are a simplified version of the expected credit loss
approach that we originally jointly developed with the FASB.
We believe the model leads to a more timely recognition of credit
losses. At the same time, it avoids excessive front-loading o
f losses, which we think would not properly reflect economic reality.”
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5.[法務]問題89
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[問89]
次の(ア)~(エ)の組み合わせで正しいものはどれ?
○大会社は次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。
・最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が(ア)以上である
こと。
・最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が(イ)以上
であること。
○大会社(公開会社でないもの及び委員会設置会社を除く。)は、(ウ)及び
(エ)を置かなければならない。
公開会社でない大会社は、(エ)を置かなければならない。
[答]
a.(ア)五億円 (イ)二百億円 (ウ)監査役会 (エ)会計監査人
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.(ア)二百億円 (イ)五億円 (ウ)監査役 (エ)会計参与
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.(ア)五億円 (イ)二百億円 (ウ)監査役 (エ)会計参与
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[前回の解答]
前回の正答はcです。
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6.[編集後記]
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Aloha!
今、実はHawaiiに来ています。ビジネスではなくてサイトシーイングで。子供
の受験やら部活動などを考えると海外旅行のチャンスなどもうないだろうとい
うことから、やや無理やりだったかもしれませんが、この三月の下旬に家族旅
行を強行させてもらいました。ご迷惑をおかけした皆さんには申し訳ございま
せん。
ところで、今って雨季なんですよね。正直知りませんでした(笑)。初日、二日
目は雨でした。しかも結構しっかりと。雨季といってもそんなに長く降るわけ
ではないという話でしたが、結構降ってましたね。今現在は晴れていてワイキ
キビーチもいい感じなのでよかったのですが。まあ、あまりスケジュールを詰
め込み過ぎてつかれてしまっても意味ありませんので、なるべくゆっくりと過
ごしたいと思います。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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