【Weekly accounting journal】vol.274~減価償却資産となる美術品~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.274-2015.02.20
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させていた
だきます。
◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]国際税務入門4
2.[税務]減価償却資産となる美術品
3.[NEWS]社外役員候補としての公認会計士紹介制度
4.[最新J-GAAP&税務]平成27年度税制改正閣議決定
5.[NEWS]田母神事務所で使途不明金
6.[編集後記]
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1.[税務]国際税務入門4
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国際税務担当飯田よりお届けします。
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我が国の税法では「国内源泉所得」を定めたうえで、国際間で二重課税が生じ
る場合は「外国税額控除」をすることにより、国際的な二重課税の排除を可能
にしています。
税法は国によって違いがあり、各国が自国の税法を適用して課税すると、同一
の所得に対して二重に課税される事態が生じます。例えば、A国とB国で居住
者の定義が異なる場合や、所得の源泉地の基準が異なる場合、どちらの国で課
税権が優先されるのか、といった具合です。
このような二国間の課税問題を排除するため、租税条約が締結されています。
租税条約は国際的二重課税防止の他、困難な課税問題の排除、過大な課税の排
除及び脱税防止を目的としています。
租税条約は2国間の事情に応じて結ばれていますが、基本的な内容はほぼ同じ
です。OECDモデル条約という、OECDが採択した租税条約のモデルに準拠して
います。モデル租税条約は第1条から第30条まであり、居住者や恒久的施設
の定義、二重課税の排除方法、情報交換に関する規定などが盛り込まれていま
す。
現在、我が国では89か国及び地域との間で租税条約を結んでいます。原則と
して、租税条約と国内法が相違する場合は、租税条約の規定が優先します
(原則というのは、アメリカのように後法優位の原則を採る国があるからで
す)。反対に、自国の居住者に対する自国での課税関係は、租税条約の規定の
影響を受けることはありません。これをセービングの原則と言います。租税条
約は相手の国の居住者に対する源泉地国での課税を相互に調整することを目的
としていますので、自国の居住者の自国における課税関係を修正するものでは
ないからです。まあ当然ですよね。
国際取引に関する税を取り扱う場合は、租税条約の規定も検討する必要があり
ます。
次回はモデル租税条約の内容を見ていくことにします。
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2.[税務]減価償却資産となる美術品
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東京都主税局から以下のような案内が出ています。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/topics/2014/20150216.html
(1) 平成27年1月1日に取得した美術品等(減価償却資産として取り扱
われるもの)
平成27年度固定資産税(償却資産)の申告対象となります。
(2)平成27年1月1日前に取得した美術品等
平成27年1月1日以後最初に開始する事業年度より減価償却資産と
して取扱う場合、固定資産税(償却)の課税対象となります。
このため、 平成27年度固定資産税(償却資産)の申告においては、
個人事業者及び12月決算法人のうち、 「適用初年度」より減価償却
資産として取扱う 美術品等について、申告対象となります(※)。
(※)12月決算法人以外の法人 で、「適用初年度」より減価償却資
産として取扱う美術品等については、 平成28年度固定資産税
(償却)の申告対象となります。
要は、
平成27年1月1日前に取得した100万円未満の美術品について
12月決算法人は、平成27年1月1日から償却を開始し、平成27年
度から償却資産として、申告が必要。
12月決算法人以外は、平成27年1月1日以降開始する事業年度から
償却を開始し、平成28年度から償却資産として、申告が必要。
ということです。平成27年1月1日前に取得した100万円未満の美術品に
ついて、12月決算法人以外でも、平成27年分の償却資産の申告が必要と
いう報道もありましたが、そうではなくなりましたので、ご注意ください。
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3.[NEWS]社外役員候補としての公認会計士紹介制度
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日本公認会計士協会では、社外役員に公認会計士の登用を検討している金融商
品取引法監査企業又は会社法監査企業に対して、公認会計士を紹介する制度を
始めています。
http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/jicpa_pr/news/post_1923.html
改正会社法の施行日は平成27年5月1日です。この改正により、
事業年度の末日において、監査役設置会社(公開会社であり、かつ、大会社で
あるものに限る。)のうち、株式について有価証券報告書提出義務を課されてい
る会社であって、社外取締役を置いていない場合には、当該事業年度に関する
定時株主総会において、「社外取締役を置くことが相当でない理由」の説明を
義務づけられます。
従ってこの説明義務は5月以降の定時株主総会において課されることになりま
す。
また、社外取締役の範囲についても以下が追加されています。
(1)当該会社の親会社等又は親会社等の取締役、執行役若しくは支配人その他の
使用人でないこと
(2)当該会社の兄弟会社の業務執行取締役等でないこと、並びに、
(3)当該会社の取締役、執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社
等の配偶者又は2親等内の親族でないこと
一方で、社外取締役にあっては、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締
役等を辞めて10年が経過すれば、社外取締役となれることとなりました。
社外監査役についても、同様の改正がなされています。こちらの要件は以下の
ように変更されました。
(1)社外監査役就任の前10年間に当該会社又はその子会社の取締役等でないこと
(2)当該会社を支配する個人、又は親会社の取締役、監査役、執行役、支配人そ
の他の使用人でないこと
(3)当該会社の兄弟会社の業務執行取締役等でないこと、
(4)当該会社の取締役、支配人その他の重要な使用人又は支配個人の配偶者、二
親等内の親族でないこと。
社外役員として公認会計士を検討する場合には、このような制度がありますの
で、ご利用されてはいかがでしょうか。
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4.[最新J-GAAP&税務] 平成27年度税制改正閣議決定
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平成27年度税制改正の法律案が平成27年2月17日、閣議決定されました。
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2015/kakugi-2015021701.html
国会に提出されています。
こちらに法律案等ございます。
https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/189diet/index.htm
特に「概要」が一覧するにはいいかもしれません。
https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/189diet/st270217g.pdf
また、財務省のホームページには、以下のようなパンフレットがあります。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian15.htm
ご参考ください。
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5.[NEWS]田母神事務所で使途不明金
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元航空幕僚長の田母神俊雄氏が集めた政治資金1億4千万円のうち3千万前後
が使途不明になっているようです。
http://www.asahi.com/articles/ASH2M3C3FH2MUTIL003.html
「事務所の会計担当者が使い込んだ」とのことで、会計担当者は、「都知事選
後から衆院選の前にかけて、遊興費や生活費に使った」と話しているとのこと
で、刑事告訴を検討しているそうです。
献金した方はたまんないですね。
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6.[編集後記]
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ここのところ配信遅れ気味で申し訳ございません。
最近、やはり安倍政権になってから特に。日本の雰囲気が随分と変わったよう
に思っているのですが、いかがでしょうか。
テレビをみていると、「日本ってすごい!」みたいな番組がすごく多くないで
すか?どのチャンネルでも似たような趣旨の番組が多いように感じています。
これらをみて「そうか、やっぱり日本はすごかったんだ」と思い直している方、
多いんじゃないですかね。私なんかモロそうですね。確かに、日本には実に豊
富な伝統、歴史、文化がありますし、先人たちの積み上げたものの素晴らしさ、
特に職人(一般的な意味にとどまらず、日本ではどんな職の人もその仕事を極
めていきますので、職人レベルかなと思います。)の技術の素晴らしさ、配慮
の細やかさを知ると、もう泣けてきます。自信は持っていいんだと思います。
戦後、自分たちはだめなんだと信じこんでしまった日本が、ようやく再び自信
を取戻しつつあるのではないかと思います。
基本的には、いいこと、だろうとは思いますが、日本人って、まじめで横並び
意識が強すぎ、時にそれで色々な失敗をすることがあるように思いますので、
今後は上手いこと自信を取り戻していけたらいいな、と漠然と思っています。
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*発行人: エキスパーツリンク