【Weekly accounting journal】vol.255~のれんの償却は不要か~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.255-2014.10.08
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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税務専門家として、会社側の視点にたった各種支援を行っています。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[内部統制]重要な虚偽表示リスクと全般統制の評価
2.[最新J-GAAP]のれんはなお償却しなくてよいか
3.[IFRS]子会社等投資の公正価値測定
4.[NEWS]株式の持ち合い解消を促す議論開始
5.[税務]問題166
6.[編集後記]
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1.[内部統制]重要な虚偽表示リスクと全般統制の評価
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日本公認会計士協会は、IT委員会研究報告第46号「重要な虚偽表示リスクと
全般統制の評価」及び「公開草案に対するコメントの概要とその対応」を公
表しています。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/46_4.html
意義
全般統制の適用範囲・評価単位
全般統制が対応するリスク
開発・変更に係る全般統制
システムの運用に係る全般統制
情報セキュリティに係る全般統制
外部委託業務に係る全般統制
全般統制のリスク評価手続の留意事項
全般統制の運用評価手続の留意事項
全般統制に不備が存在する場合
といった具合です。
全般統制の意義としては、「多くのアプリケーションに関係する方針及び手
続であり、情報システムの継続的かつ適切な運用を確保することにより、業務
処理統制が有効に機能するよう支援する。」としています。これを分類し、
・ 開発・変更に係る全般統制
・ システムの運用に係る全般統制
・ 情報セキュリティに係る全般統制
・ 外部委託業務に係る全般統制
としています。監査人の方は慣れ親しんだ分類かと思います。比較的分かりや
すくまとめられているように思います。
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2.[最新J-GAAP]のれんはなお償却しなくてよいか
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平成26年7月22日に
企業会計基準委員会(ASBJ)、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)及びイ
タリアの会計基準設定主体(OIC)から「のれんはなお償却しなくてよいか
―のれんの会計処理及び開示」が公表され、広く意見が求められました。
これに対し、
日本公認会計士協会(会計制度委員会)では、このディスカッション・ペーパ
ーに対する意見を取りまとめ、平成26年9月30日付けで企業会計基準委員会
に提出しています。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1767.html
このなかで最初の設問について、簡単にお伝えしておきます。
「のれんを資産として認識し、その後の期間にわたり償却するという要求事項
を設けるべきであることに同意するか。」
「のれんを資産として認識し、その後の期間にわたり償却するという要求事項
を設けることに同意する。その理由として、(a)に記載のとおり、取得日時点
で存在しているのれんは、時の経過に応じて消費され、自己創設のれんに置き
換わるものと考えられ、したがって、企業結合で取得した経済的資源であるの
れんの一定期間にわたる消費を合理的に反映するために、償却を行うべきとす
ることが適切であると考える。」
そのとおりだと思いますね。のれんが維持されているとしたら、それは継続的
な企業努力によるものであって、のれんを償却しなければ、自己創設のれんの
計上につながると思います。組織再編を経た会社は自己創設のれんを計上でき
て、そうでない会社は出来ないということになるように思います。
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3.[IFRS]子会社等投資の公正価値測定
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ASBJがIASBのプレスリリースを報じています。
「IASBが、子会社、共同支配企業及び関連会社に対する相場価格のある投資
の公正価値での測定に関する提案を公表」
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/iasb/ed/comments20140916.shtml
ここでは、以下のように提案されています。
(a) 子会社、共同支配企業及び関連会社に対する投資についての会計単位、
並びにそれらの投資に活発な市場における相場価格がある場合(相場価格
のある投資)の公正価値測定
(b) 資金生成単位(CGUs)が活発な市場における相場価格のある企業に対応し
ている場合(相場価格のあるCGUs)の処分コスト控除後の公正価値に基
づく回収可能価額の測定
本修正案は、企業は相場価格のある投資及び相場価格のあるCGUsの公正価値
を、企業が保有している当該投資を構成する個々の金融商品の相場価格と金融
商品の数量との積として測定すべきであることを明確にしている。
IASBのプレスリリースはこちらです。
http://www.ifrs.org/Alerts/Publication/Pages/IASB-publishes-Exposure-Draft-Measuring-Quoted-Investments-September-2014.aspx
理解はできますが、実務が大幅に変わる可能性がありますね。
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4.[NEWS]株式の持ち合い解消を促す議論開始
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「日本市場の魅力を高めるため政府が導入を決めた「コーポレートガバナン
ス(企業統治)コード」に、企業や銀行による株式持ち合い解消を促す内容
が盛り込まれる可能性が出てきた。」
とのことです。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NCNJU76KLVRH01.html
そもそもコーポレートガバナンスコードとは、
「コーポレートガバナンス(企業統治)の強化に向けて、企業が尊重すべき
事項を定めた「規範」のこと。英国で発祥したとされ、今では欧州の国々やシ
ンガポール、香港なども導入している。日本では自民党の日本経済再生本部が
23日に公表した政府の成長戦略への提言の中に「日本版」の創設が盛り込ま
れ、注目が一気に高まった。」(10月8日日本経済新聞より)
とのことです。
金融庁が開いたコーポレート・ガバナンス・コードの策定に関する有識者会議
で議論が始まったようです。
「有識者会議メンバーで元産業再生機構最高執行責任者(COO)の冨山和彦
氏は会議に提出した意見書で、株式持ち合いについて「物言わぬ安定与党株主
になることを暗黙の前提としており、ガバナンスにおいて重大な空洞を生じさ
せるリスクを伴う」と問題点を指摘した。」
とのことです。
「中でも日本の株式持ち合いは銀行が中心となっている。決算資料などによる
と2002年3月末の3メガバンクの持ち合い株(政策保有株)は三菱UFJが
9兆2000億円、みずほFGが7兆円、三井住友FGが5兆2000億円。価格変
動リスクから削減が進んだが、14年3月末で各グループ1兆7000億-
2兆8000億円の残高がある。」
「ドイツ証券の山田能伸アナリストは、銀行の持ち合い解消は「これ以上は削
れないとされる岩盤にまで到達している」と指摘。」
企業サイドとしては、何等かの対策が必要なのかどうか、検討が必要ですね。
金融庁の資料等はこちら
http://www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/siryou/20140930.html
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5.[税務]問題166
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[問166]
言葉の意味の組み合わせとして正しいのはどれ?
ア.BEPS
イ.リバースチャージ制度
ウ.ダブル・アイリッシュ・ダッチ・サンドイッチ
エ.リサイクリング
A. 域内の仕入事業者が申告納税すること
B. 税源浸食と利益移転
C. その他包括利益から当期純利益に改めて計上すること
D. apple等が行う節税スキーム
a.ア-B、イ-A、ウ-D、エ-C
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.ア-D、イ-C、ウ-B、エ-A
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.ア-C、イ-D、ウ-A、エ-B
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[答]
[前回の解答]
前回の正答はb。
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6.[編集後記]
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シンガポールで食べたもので、おいしかったのは、やはり、チリ・クラブです
かね。甘辛いチリソースで炒めてあるクラブ、つまりカニです。シンガポール
で勤務されている方から情報を得ておいしいとされるお店を予約して行って食
べてきました。ガイド本にはチリ・クラブとペッパー・クラブが紹介されてい
ましたので、両方頼んだのですが、断然チリ・クラブの方がおいしかったです
ね。ただ、カニの殻が日本でよく食べるタラバガニ等と違って、固くて固くて、
手はもうソースでギトギト。ちょっと痛くなったりしながら、格闘してようや
くありつける感じでした。チャーハンとタイガービールで、おいしくいただき
ました。屋外で、川沿いの風が心地よいお店で、なかなかよかったですよ。機
会があればチリ・クラブ、食べてみてください。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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