【Weekly accounting journal】vol.249~研究開発税制の縮小~
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☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]研究開発税制の縮小
2.[最新J-GAAP]外貨建取引等の会計処理に関する実務指針等の改正案
3.[最新J-GAAP]会計制度委員会報告第15号等の改正
4.[税務]国税OBの指南
5.[税務]研究開発用設備は生産性向上設備投資促進税制適用できます?
6.[税務]問題160
7.[編集後記]
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1.[税務]研究開発税制の縮小
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8月17日の日本経済新聞の有料記事ですが、2015年度税制改正で行われる研
究開発税制の見直しの概要が掲載されています。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF16H03_W4A810C1MM8000/
これによると、
「総額型」は縮小
「増加型」は拡充
ということのようですね。
「総額型」
(現行)
大企業で研究開発費の8~10%を法人税額から控除できます。上限は法人税
額の30%です。
(改正案)
控除できる研究開発費の割合を6~8%にしたり、上限を20%にする案が出て
いるようです。
「増加型」
(現行)
研究開発費を直近3年の平均額より5%超増やした場合に増やした額の最大
30%を法人税額から差し引くことができます。
(改正案)
この場合の研究開発費の増加割合を5%以下にしたり、法人税から差し引く
割合を最大60%に拡大する案があるそうです。
影響は、
研究開発費を増やしにくい自動車、製薬業界では税負担増
研究開発費を増やす機械・エンジニアリング、電機・ITでは税負担減
ということになりそうです。
これも当然、法人税率引き下げに伴う課税ベースの拡大という流れのなかから
出ているものです。
これから増やす企業に恩恵をもたらそうとする発想はいいのかもしれません
ね。ただやはり「総額型」の恩恵を受けている企業は多いと思いますので、日
本全体の研究開発の後押しが息切れするということだとすると、よろしくない
ように思いますが、どうでしょうか。
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2.[最新J-GAAP] 外貨建取引等の会計処理に関する実務指針等の改正案
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日本公認会計士協会(会計制度委員会)では8月18日、以下の実務指針等の改
正案を公表しました。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1761.html
<改正する会計制度委員会報告等及び主な改正内容>
会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
(主な改正内容)
・「設例4 複数の外貨建金銭債権債務等と為替予約等との対応」における売
掛金への為替予約の振当計算の明確化
・現行の関連法令との整合性を図る修正、字句・体裁修正等
金融商品会計に関するQ&A
(主な改正内容)
・持分法の適用対象となっている子会社及び関連会社が保有する親会社株式等
の取扱いの明示(Q16)
・現行の関連法令との整合性を図る修正、字句・体裁修正等
これらは現行の取扱を変更するものではありません。適用は確定版の公表日以
後ということになります。ちらっと確認すれば済みそうですが、関係ある方は
一応目を通しましょう。
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3.[最新J-GAAP] 会計制度委員会報告第15号等の改正
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日本公認会計士協会(会計制度委員会)では、
会計制度委員会報告第15号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲
渡人の会計処理に関する実務指針」
及び
「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実
務指針についてのQ&A」
の公開草案を公表しました。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/15_1.html
会計制度委員会報告第15号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲
渡人の会計処理に関する実務指針」
(主な改正内容)
・平成13年3月31日までに行われた不動産の流動化取引に関する経過措置
の削除(第24項)
・不動産の流動化取引の更新時の適用及び会計処理の明確化(第21-2項)
・現行の関連法令との整合性を図る修正、字句・体裁修正等
特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務
指針についてのQ&A
(主な改正内容)
・上記1において、経過措置(第24項)を削除することに伴うQ5の削除
・現行の関連法令との整合性を図る修正、字句・体裁修正等
ご紹介まで。
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4.[税務]国税OBの指南
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国税OB税理士が脱税を指南したり、税務調査を妨害したりするケースが続出
しているようです。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40032
記事では、この背景には、「顧問先斡旋制度の廃止」があるとみています。
「顧問先斡旋制度」とは、「国税職員は23年以上の実務経験があれば、難しい
税理士試験を免除されて一定の研修を受けるだけで税理士資格を得られる。斡
旋制度とは、定年退職より2年ほど前倒しで勇退する税務署長ら幹部職員に、
税理士となった後の顧問先を斡旋する退職後の事実上の生活保障」です。
「’80年以前からあったとされる斡旋制度は、廃止される直前の’09年7月で
対象者が全国計358人におよぶ。1人当たり平均7・5社が割り当てられ、平
均月額報酬は約45万円であったから、生活保障としては十分な額であった。
これが民主党政権の誕生を機に、「国税職員の事実上の天下り」として廃止に
追い込まれた」とのことですね。
これによって生活が苦しくなるOB税理士が多くなり、激務をこなしてきた
OB税理士のモラルが低下してこのような事件をおこすケースが増えているとの
ことです。
現役世代も将来のことを考え、自らOB税理士と接触し、癒着するケースが出て
きているようです。
「ヤメ検」が批判を浴びたことがありましたが、今度はその矛先が「ヤメ国税」
に向かうのかもしれませんとしています。
確かにひどいですね。モラルも誇りもないという感じです。私はこういう納税
という国の存続のために必要な行いを守ろうとしている人達、に限らず、国の
ために激務や、あまり面白くない仕事をしなければならない人達の、モチベー
ションの維持ということもしっかり考えてあげないといけないように思います。
社会の公正を保つ観点から必要なコストととらえるべきなのではないでしょう
か。たしかに、顧問先斡旋制度は天下りということになるのでしょうけれども、
現役時代の給与をもっとあげるなり、もう少し考えないといけないのではない
でしょうか。
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5.[税務] 研究開発用設備は生産性向上設備投資促進税制適用できます?
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研究開発用設備は生産性向上設備投資促進税制を適用できるのか?週刊税務
通信No.3323から記載します。
まずは生産等設備投資促進税制ではどうなのか検討しています。
「研究開発用設備について、個別に適用の判断をしていく」
ということです。これは、
「基礎研究及び応用研究を基礎として工業化・量産化するための「工業化研究」
であっても、生産等活動の用に間接的な貢献しかないものがある一方、生産等
活動の用に直接供しているものもあるから」だそうです。
生産性向上設備投資促進税制については、
「生産性向上設備投資促進税制も同様に、研究開発用設備の全部を対象外とす
ることはなく、研究活動・使用状況などにより個別に判断していくことになる
ようだ」
「研究開発用設備が生産等活動の用に直接供するものといえるものであれば、
取得価額の5%(一部3%)が税額控除の対象とされ、さらに毎年の償却費が試験研
究費の税額控除の対象となる。」
とされています。ちょっとイマイチ理解しきれない感じがありますが、研究開
発用設備についてもこちらの記事を参考にご検討ください。
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6.[税務]問題160
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[問160]
国税庁HPから
「大正時代に、電柱税という地方税が創設されました。
ただし、全国一律ではなく、東京都以外の道府県ごとに導入されたようです。
大正7年(1918年)に電柱税を導入していた道府県は、23県でしたが、その中
で最も多くの税収を上げていたのは何県だったでしょうか。」
a.熊本県
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.群馬県
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.岩手県
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c
[答]
[前回の解答]
前回の正答はc。
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7.[編集後記]
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私ごとで恐縮ですが、やっとTOEICで900点越えました!
いやあ苦労しました。ずっとずっと伸び悩んでようやくの到達でしたので、う
れしい限りです。
留学経験もなく、仕事でも使うわけではないという場合は、やっぱり少し問題
集やらないとだめですね。今回は直前にかなり解きました。問題集。
しかしまだまだ。やっと905点ですから。950点位コンスタントにとれる位じゃ
ないとですね。ようやく土俵にのれたかな?位のところかと思いますので、引
き続き精進していきたいと思います。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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