◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.72-2011.03.15
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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大変な事態が発生してしまいました。
被災者の皆様、また、該当地域に事業所を有する事業者の皆様には、心からお
見舞い申し上げます。

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]震災被災地の申告期限延長
2.[ディスクローズ]被災状況等の適切な開示等に係るお願い
3.[ディスクローズ]震災の影響が会計等ディスクローズに及ぼす影響
4.[編集後記]

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1.[税務]震災被災地の申告期限延長
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財務省によると、

今回の地震、津波は所得税・贈与税の申告期限直前に起きたことから、

国税通則法第11条に基づき、当面の対応として国税に関する申告・納付等の期
限の延長を行うこととしています。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a0pjl1v08if9i6sbz8

この対象者は、

震災被災者

だけでなく、

震災による計画停電などの影響で申告が困難な場合

も認めるとのことです。

国税庁では、青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県についてだけでなく、5県
以外の納税者についても、震災によって交通手段が遮断されたり帳簿が紛失し
たことなどから申告や納付が期限内にできない場合は、延長に柔軟に対応する
としています。

確定申告期限延長の対象は、震災が発生した11日以降に期限を迎える贈与税
などすべての国税です。

いつまで、なのかは、未定だそうです。

また、震災で被害を受けた住宅の損失を個人の所得から控除(雑損控除)でき
るようにし、企業には被害を必要経費に算入できる減免措置も行います。

関係ある方は、良く検討されてください。

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2.[ディスクローズ]被災状況等の適切な開示等に係るお願い
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東京証券取引所は、3月14日、『「東北地方太平洋沖地震」に係る被災状況等
の適切な開示等に係るお願い』とする文書を公表しています。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a0pjm1v08if9i6sbz8

『不正確・不明確な情報に基づく価格形成を回避し、投資者に適切な投資判断
を促す観点から、人命救助・安全確保を最優先いただいたうえで、ご対応が可
能となった時点で、速やかに被災状況に係る情報開示を行ってくださいますよ
うお願いいたします。』
とのことです。

すでに震災関係の影響の開示が続々となされているようです。

また、

『本社機能を有する事業拠点が被災された場合など、通常の方法で適時開示を
行うことができないご事情がある場合には、その旨及び当面のご連絡先等』を
連絡してくださいとのことです。

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3.[ディスクローズ] 震災の影響が会計等ディスクローズに及ぼす影響
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今回の震災は3月11日に発生しました。

臨時報告書が必要なケースも当然考えられます。

企業内容等の開示に関する内閣府令第19条
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a0pjn1v08if9i6sbz8

開示対象の事業年度、あるいは四半期会計期間に当該発生日が含まれている場
合には、被害状況に応じて、棚卸資産、固定資産の損傷など直接的な損失金額
を計上したり、今後の生産活動等の見通しから将来キャッシュ・フローに影響
する場合、減損損失の計上が必要な場合も考えられるのではないでしょうか。
被害状況の精査が困難な場合、ある程度の見積数値でもって暫定的にでも計上
しておくことが必要なケースも想定されるかもしれません。

監査人もこれらの状況を理解し、適切な監査手続を実施する必要があるでしょ
う。場合によっては、限定意見や意見不表明もありうるかもしれません。

また、事業年度や四半期会計期間終了後、有価証券報告者や四半期報告書の提
出前に発生した場合には、後発事象の検討が必要になります。もうすでに今現
在、検討が行われている最中ではないかと思います。

事象を開示するだけで足りる、いわゆる「開示後発事象」となるケースが多い
ように思いますが、場合によっては「修正後発事象」となるケースも考え得る
のではないか、と思います。監査人と協議のうえ、適切な開示を行う必要があ
ります。

財務諸表等規則第8条の4
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a0pjo1v08if9i6sbz8

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4.[編集後記]
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本当に大惨事です。
今回感じたのですが、事業体にとって、『開示力』、これは非常に重要な要素
ですね。東京電力の二転三転する説明、専門用語ばかりでわかりづらい説明、
要領を得ない説明、情報が十分でないという説明、これらは組織にとって致命
傷です。よく、いたずらに人心を乱すのなら情報は出さないほうがよいといっ
た趣旨の発言を聞くことがありますが、そのような時代ではないと思います。
つまり、下手に情報を隠ぺいしても漏洩する可能性は高く、漏えいした場合に
は開示当事者の責任は、開示した場合よりも強く非難されることになるでしょ
う。この『開示』についても普段から、訓練を積んでおく必要があるように思
います。
今このメルマガを書いている最中にも、福島第一原子力発電所の第2号機のサ
プレッション・プールが損傷しているという情報が入ってきています。これは
大変な事態ではないかと思います。どうにかしてこの損傷を補修することは出
来ないのでしょうか。そして燃料の冷却を継続することはできないのでしょう
か。我が国の総力を結集して対処していかなければならないと思います。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a0pjp1v08if9i6sbz8
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