【Weekly accounting journal】vol.63
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.63-2011.1.11
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]2011年3月決算で対応すべき事項
2.[監査]遡及監査ですと
3.[監査]監査報酬の実態調査
4.[IFRS]クイズ16
5.[編集後記]
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1.[最新J-GAAP]2011年3月決算で対応すべき事項
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日本で一番多い3月決算の皆様は、第3四半期の決算に突入された頃かと思いま
すが、そろそろ期末以降のことも想定しておきましょう。
前期末は金融商品・賃貸等不動産の時価等開示、当期初から資産除去債務、マ
ネジメント・アプローチ、連結関係と要対応事項が目白押しでしたが、今期は
どうでしょうか。
3月決算会社の想定で書いてみます。
【平成23年3月末】
「包括利益の表示に関する会計基準」
【平成23年4月以降開始事業年度】
「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」
【平成24年3月末】
改正「退職給付に関する会計基準」
という感じです。
「包括利益の表示に関する会計基準」
まずは、連結財務諸表だけです。連結の場合、少数株主損益調整前当期純利益
にその他の包括利益の内訳項目を加減して包括利益を表示します。
ここで、注意が必要なのは、
『包括利益計算書では、少数株主損益調整前当期純利益に加減される包括利益
には、親会社持分のみならず、少数株主持分も含んでいるのですが、貸借対照
表では、従来どおり、その他の包括利益累計額(例えば「その他有価証券評価
差額金」)には親会社持分のみ計上されるので、期首と期末の変動額は当然親
会社持分変動額のみということになる。』
点です。詳しくは、vol.59を参照してください。
「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」
会計方針の変更 遡及処理
表示方法の変更 遡及処理
会計上の見積の変更 将来にわたり会計処理
過去の誤謬の訂正 遡及処理
ということになります。
改正「退職給付に関する会計基準」
退職給付に係る負債という科目で、PBOを全額計上することになります。
自社への影響を確認しておきましょう。
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2.[監査]遡及監査ですと
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ちょっと気になったので書いておきます。
東京証券取引所は、平成22年12月21日付けで「マザーズの信頼性向上及び活性
化に向けた上場制度の整備等について」(制度要綱)を公表しました。
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これに関連して、同取引所から日本公認会計士協会に対して「監査の品質に係
る信頼性向上及び遡及監査に関するご検討のお願い」(平成22年12月27日付け)
という要請がなされています。
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遡及監査が検討されることになるんですね。
上場目指す会社は大抵すぐにでも上場したいということで、過去の期間の監査
意見が出るかという話になることが多いです。
やはり過去の期間についての監査は現実的には困難ですから、これ自体は品質
を下げることになるのではないでしょうか。
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3.[監査]監査報酬の実態調査
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毎年、監査報酬の実態調査結果が報告されています。今年も2009年4月決算か
ら2010年3月決算(2009年度)に至るまでの一年間を対象期間として調査が行わ
れた結果が「上場企業監査人・監査報酬白書 2011年版」として刊行されまし
た。
これによると2009年度は、
平均61.92百万円
最大4,200百万円
中央値33百万円
最小6百万円
標準偏差158.27
だったようです。
平均の推移をみると
三月期決算
2007 30.84百万円
2008 57.11百万円
2009 57.67百万円
三月期決算以外
2007 22.96百万円
2008 25.70百万円
2009 39.60百万円
です。
2008年度にJSOX、四半期レビューにより報酬が増加しましたが、2009年度は
落ち着いていることが読み取れます。
一方、アメリカとの比較では
アメリカ
平均 164.55百万円
中央値 59.73百万円
に対して
日本(非SEC登録企業等)
平均 57.67百万円
中央値 35.00百万円
ですから、まだまだ差はありますね。
時間、品質にも差があるということなんでしょう。
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4.[IFRS]クイズ16
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[問16]
IFRS適用下です。
ある年度末に連結子会社A社に対するのれん500と減価償却資産1,000をゼロま
で減損損失を計上した。
減損がなかった場合の一年間の償却費はのれん100、減価償却資産200である
とする。
二年後、収益が劇的に回復し、十分に投資が回収できる見通しとなった。
減損損失の戻し入れ額はいくら?
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[答]
a.400
b.600
c.900
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b. →http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a0kg4bu07itilzklx7
c. →http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a0kg5bu07itilzklx7
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[前回解説]
すみません!前回の正解はcです。回答の表示が間違ってました!以後気をつ
けます。
正答率は約39.5%でした。
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5.[編集後記]
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年初ですので、僕がどのような会計士・税理士を目指していくかということに
ついて、改めて書いておこうかと思います。
会計士・税理士の仕事の基本は、会計監査や、税務申告という、経営者にとっ
て、「やらなければいけないこと」を支援することなんだろうと思います。
しかしながら、このような「やらなければいけないこと」も、積極的な意味を
もつ局面と、そうでないものがあるように思います。
例えば、会社を設立するとか、経営戦略上必要な様々な施策、例えば、企業買
収や、逆に撤退する場合、あるいは海外進出等する際に必要な税務、会計上の
対応支援ということになってくると、「ビジネス自体の支援」という意味を帯
びてきますので、積極的な意味を持っていると思うのですが、ただ存続してい
るだけで必要な要対応事項(会計監査、JSOX、IFRS等)や単なる税務申告の支援
については、ビジネス自体についての支援という意味合いは乏しいように思い
ます。
今まで僕はどちらかというと、この後者の方、つまり、ただ存続しているだけ
で必要な要対応事項や単なる税務申告のお手伝いが多かったわけですが、これ
からは、(もちろんこれらも必要ですが、)これだけではなく、より経営戦略上
必要な施策の実施に関わっていきたいと思っています。
そのためには、より深い知識と経験が必要になってきますので、より研鑽を重
ねる必要があります。
「ビジネス自体の支援」を通じて、「ありがたい」「助かった」と言ってもら
えるような、そんな会計士・税理士になりたいと思います。
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