【Weekly accounting journal】vol.57
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.57-2010.11.30
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]移転価格ポリシー間接的文書化義務も平成22年から
2.[J-SOX]開示すべき重要な不備
3.[IFRS]クイズ10
4.[編集後記]
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1.[税務]移転価格ポリシー間接的文書化義務も平成22年から
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「推定課税」ってご存知でしょうか?
移転価格調査で調査官の質問に対し適切な対応をしない場合に、
適切な情報提供をしたら課税されてしまい、適切な情報提供をしなかったら課
税されないというのは不公平じゃないですか。
こういう場合に、課税当局が企業の内部情報に依拠せずに、独自に入手した外
部情報に依拠して推定して課税してしまう制度です。
たまったもんじゃないですよね。
平成22年税制改正で、租税特別措置法第66条の4の第6項が改正され、課税当局
は、会社に財務省令で定める書類又はその写しの提示又は提出を求めた場合で、
会社がこれらを遅滞なく提示又は提出しない場合、推定課税することができる
こととされています。
この財務省令とは、租税特別措置法施行規則第22条の10第1項に定めてありま
す。その書類とは、以下のものをいいます。
・国外関連取引の内容を記載した書類
・独立企業間価格を算定するための書類
間接的な文書化義務といえます。
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2.[J-SOX]開示すべき重要な不備
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去る11月25日の企業会計審議会第20回内部統制部会において、また、内部統制
報告制度の見直しの件が検討されています。
今回は基準や実施基準の新旧対照表も出てきています。
僕なりに気になったのは以下の点です。
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○「重要な欠陥」から「開示すべき重要な不備」へ
「開示すべき重要な不備」と「重要な要改善事項」が検討されていたようです
が、「開示すべき重要な不備」となったようです。
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従来から「重要な欠陥」という用語の語感がもたらすニュアンスに違和感があ
りましたから、まあ、そんなところかな、という印象です。
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○全社統制の評価の見直し
全社的な内部統制の評価項目のうち、前年度の評価結果が有効であり、かつ財
務報告の信頼性に与える影響の重要性を勘案し、当該評価項目に係る内部統制
の整備状況に重要な変化がない場合には、その旨を記録することで、前年度の
運用状況の評価結果を継続して利用することができる。
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○業務プロセスの評価の見直し
当該事業拠点が前年度に重要な事業拠点として評価範囲に入っており、
イ)前年度の当該拠点に係る内部統制の評価が良好であること、
ロ)当該拠点の内部統制の整備状況に大きな変化がないこと、
ハ)重要な拠点の中でも、グループ内での中核会社でないなど特に重要な事業
拠点でないことを確認できた場合には、当該事業拠点を本年度の評価対象とし
ないことができると考えられる。その場合、結果として、売上高等の概ね2/3
を相当程度下回ることがあり得る。
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とされています。これで内部統制評価については2年に1度位のペースになる項
目や事業拠点が増えてくることになるでしょう。内部統制評価部門が暇になる
んでしょうか?
確かに形式的に2/3を満たすために「有効に決まってるだろ」と思いつつサ
ンプルを拾うことは苦痛ですし、会社としては、もっと付加価値を生む活動に
資源を振り分けるべきであることはいうまでもありません。
僕自身は現状でも「有効」、というか「有意義」な内部統制評価が行われてい
るのかどうか懐疑的ですので、制度がこんなふうになってしまうと余計「有意
義」な監査が行われる機会が奪われないか心配です。
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○経営者による財務報告に係る内部統制の評価の理解・尊重
監査人は、経営者による会社の状況等を考慮した内部統制の評価の方法等を適
切に理解・尊重した上で、内部統制監査の基準・実施基準等の内容や趣旨を勘
案して内部統制監査を実施する必要があり、各監査人の定めている監査の手続
や手法と異なることをもって、経営者に対し、画一的にその手法等を強制する
ことのないよう留意する。
(注)監査人は、経営者の評価結果を利用する場合を除き、経営者の評価方法
を具体的に検証する必要はないことに留意する。
ただし、事業規模が小規模で比較的簡素な構造を有している組織等の内部統制
監査の実施に当たっては、監査人は、当該会社の内部統制の構築や評価におい
て経営資源配分上の制約が大きい場合があることを踏まえ、経営者からの相談
に対しては、内部統制の有効性を保ちつつ、特に効果的かつ効率的な内部統制
の構築や評価を行うとの観点から、適切な指摘を行う必要があることに留意す
る。
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随分と具体的な文言が入りましたね。この表現はなかなかよろしいかと思いま
す。内部統制の評価が経営の負担になるような本末転倒は回避されることを期
待したいと思います。
この文言が当初からあったらなあ。
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3.[IFRS]クイズ10
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[問10]
・×0年7月1日、不動産の開発を行うために1,500,000千円を金利6%で借り入れ
た。
・開発に係わる支出は、とりあえず
×0年7月1日1,000,000千円
×0年12月決算で、借入費用はいくら資産計上すべき?
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[答]
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[前回解説]
前回の正解はa。
正答率は23.8%でした。
回答の表示上、当初bが正答であると表示してしまいましたが、本当の正答はa
です。お詫びして訂正させていただきます。
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4.[編集後記]
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「付加価値会計」ってご存知ですか?
僕も知らなかったんですけど、このような研究がその1970年代になされていた
ようですね。
現在の財務会計は、売上から諸費用や損失を控除して損益を算出することを目
的としていますが、
この付加価値会計では、付加価値計算書というものを作成し、その構造は概ね
(色々な考え方があるようですが)、以下のような構造になっているようです。
生産高から前給付費用(原材料費等前段階企業から受け入れた価値)を控除して、
これにいくつかの調整を加えて付加価値を算定し、
地代・家賃関係、金融費用関係、税金費用関係に分配された分を控除し、
最終的に、残った付加価値を従業員・役員分配高と企業内部留保高にどのよう
に分配したかを算出します。
この考え方、すごく新鮮に見えました。損益計算書って、概していえば、拠出
以外の要因での株主持分増減計算書といえ、株主の持分にどう貢献したかを算
出しているわけですけど、付加価値計算書では、株主と従業員・役員を同列に
考え、その価値の分配状況を表現しているのです。
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