【Weekly accounting journal】vol.35
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.35-2010.06.29
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。
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本メルマガでは、より皆様のお役に立てる情報を配信したいと考えております
ので、普段の決算・経理・税務実務全般について、ご質問、ご相談等ございま
したら、どんな小さなことでも結構ですので、是非教えてください。必ず何ら
かのご回答差し上げます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[IFRS]とうとう出た!収益認識の公開草案
2.[最新J-GAAP&税務&IFRS]会計基準のコンバージェンスと確定決算主義
3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
4.[編集後記]
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1.[IFRS]とうとう出た!収益認識の公開草案
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IASBとFASBは、2010年6月24日、収益認識の新共同基準の公開草案を公表しま
した。
これが適用されると、IFRSとUS-GAAPにとっては、様々な産業や資本市場に横
断的な単一の収益認識基準が誕生することになります。
この公開草案では基本的な原則として、企業は、顧客との契約に基づき、顧客
に商品や役務を提供したときに、顧客から受け取る、あるいは受け取ることが
期待される対価を収益として認識すべきことになります。
これにより以下のような改善が図られます。
・既存の要求に含まれる矛盾は取り除かれます。
・収益認識に関して、より確固たるフレームが提供されます。
・企業間の比較可能性を改善します。
・より開示が拡充されます。
・契約上のコストの会計も明らかになります。
この収益認識基準を適用するにあたり、踏むべきステップは以下のような形に
なります。
Step1: 顧客との契約を特定する。
Step2: 当該契約上、企業が負うべき個々の義務を特定する。
Step3: 取引価格を決定する。
Step4: この取引価格を個々の義務に配分する。
Step5: それぞれの義務が履行されたときに収益を認識する。
今後より詳しくみていくようにしますが、基本的に僕がずっとこのメルマガで
記載してきた方法と大きな祖語はないはずです。
さあ、日本はどうなるのでしょうか?今のところ2011年の上期に公開草案が出
る予定です。
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2.[最新J-GAAP&税務&IFRS]会計基準のコンバージェンスと確定決算主義
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日本公認会計士協会の租税調査会は、研究報告第20号「会計基準のコンバージ
ェンスと確定決算主義」を2010年6月15日付で公表しました。
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/907p3ow0ngmbnz4acy
内容は以下のような感じです。
・会計基準の国際化と確定決算主義
・確定決算主義の意義、歴史及び損金経理要件
・会計基準のコンバージェンスと税制の対応
・諸外国の状況
・会計基準のコンバージェンスと中小企業
・今後の方向性
最後に、上場企業における確定決算主義の今後のあり方については、
上場企業の財務諸表は将来指向的な数値を得るべく会計基準が進んでいく
↓
法人税法の基本理念(見積要素を可能な限り制限)と相入れない
↓
申告調整が煩雑化
損金経理要件による逆基準性及び税務メリットの放棄の問題
↓
確定決算主義を放棄すればこれらの問題は解決するが、課税所得計算の簡便性
などの確定決算主義のメリットも享受している
↓
よって、現段階では、
「確定決算主義の放棄を議論するのは時期尚早と考えるが、逆基準性などの問
題から、少なくとも損金経理要件の見直しが必要である」
と提言しています。
基本的に賛成だなあ。
諸外国はどうかというと、
●フランス、ドイツは日本と同じ確定決算方式(損金経理要件がある)
●イギリスは損金経理要件が明示的にない
●アメリカはそもそも、課税所得は企業利益とは別に計算し、損金経理要件は
極めて限定的に存在する
という状況です。
いきなり確定決算主義そのものを見直してアメリカのようにするのではなく、
損金経理しなくとも申告調整すれば税務のメリットは受けられるようにすると
いうところがまずは目指すべきところではないでしょうか。
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3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
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【買戻条件付販売契約】
メーカー等が外注先に対して材料等を有償支給する場合がある。なお、有償支
給先は、有償支給材料等に関する価格変動リスクを実質的に負っていない。
有償支給元、外注先(有償支給先)の処理はどうなるでしょうか?これは簡単で
すね。
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【J-GAAP】
「有償支給元においては、有償支給材料等を有償支給先に引き渡したとしても、
その支給時において買戻しを予定している限り、収益認識要件の一つと解され
る「財貨の移転の完了」要件を実質的に満たしておらず、収益は認識できない
と考えられる。」
「有償支給先においても、有償支給材料等のほぼ全量を加工後に売り戻すこと
が予定されており、また、有償支給材料等の価格変動リスクを負っていない場
合には、~(省略)~加工代相当額のみを純額で収益として表示することになる
と解される。」
【IFRS】
「有償支給元においては、収益を認識することはできない」
「有償支給先においても、リスクの負担の観点から加工代相当額のみを純額で
収益として表示することになると考えられる。」
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有償支給元で有償支給時に収益をするようなことは行われていないと信じてい
ますが、有償支給先において、収益が総額で表示されているようなことはある
かもしれませんね。ご確認ください。
次も、「買戻条件付販売契約」いってみましょう。
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売手は売買基本契約に基づき買手に機器を販売している。当該売買基本契約で
は、あらかじめ定められた一定期間経過後の特定時点において、買手は売手に
対して、一定金額で機器を売り戻す権利が付与されている。
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このような場合、どうすべきでしょうか?
会計コンサルティングはこちら
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4.[編集後記]
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日本公認会計士協会は、2010年6月24日、「平成23年度税制改正に対する日本公
認会計士協会の意見・要望書」を公表しています。この要望はたくさんあるの
ですが、なかでも重要なものにつき、「重要要望事項」として、まとめていま
すので、少しご紹介したいと思います。
・会計基準の国際的統一化に対応し、損金経理要件を中心とする確定決算主義
のあり方を弾力的に見直すこと
・賞与引当金及び退職給付引当金を税務上も認めること
・法人税法の改正に当たっては、企業会計の基準を十分に尊重すること
・受取配当金を全額益金不算入とすること
・「更正の請求」の期間を延長すること
・税制改正に当たっては、十分な時間的余裕のある意見募集期間を設けること
少しずつ本文でもご紹介したいと思います。特に確定決算主義のあり方につい
てはこの要望を契機に議論が少しは盛り上がればよいと思うのですが。
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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