【Weekly accounting journal】vol.297~未登録国外事業者からの仕入~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.297-2015.08.02
☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆
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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!
文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[NEWS]東芝の子会社、インドで税金逃れ容疑
2.[NEWS]トーマツCEO、内規違反で辞任
3.[NEWS]吉本興業が「中小企業」に?大幅減資
4.[税務]未登録国外事業者からの仕入で消費税の把握
5.[最新J-GAAP]JMISへの反対意見
6.[編集後記]
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1.[NEWS]東芝の子会社、インドで税金逃れ容疑
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東芝のインド子会社がテレビの輸入にかかわる税金を不正にのがれたとして、
インド当局から10億ルピー(約19億円)の罰金を求められているそうです。
http://www.asahi.com/articles/ASH7055L3H70UHBI01F.html?ref=rss
東芝は、「調査に最大限協力しているが、当局と見解の違いもあって協議中」
としているようです。
税率が高い完成済みのテレビの輸入を避け、部品に小分けして東南アジアから
輸入し、現地で組み立てることで節税を図っていたようですが、インド歳入情
報局は、この行為が完成品の輸入にあたると指摘しているようです。
この問題は東芝だけではないようですね。中国のハイアールもすでに罰金を支
払っているとのことです。
この手の法をかいくぐった行為というのは租税回避行為とみなされると印象が
悪いですからね。気をつけないといけないかもしれませんね。
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2.[NEWS]トーマツCEO、内規違反で辞任
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これ、なんでしょう?
有料記事ですけど
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC01H0M_R00C15A8NN1000/
トーマツの天野太道氏が社内規定違反により、最高経営責任者(CEO)兼包括
代表を辞任しています。
トーマツのリリースはこちら
http://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20150731.html
記事によると、上場企業1社と天野氏との間で、社内規定に違反するやり取り
があったとのことですね。詳細は明らかではなく、該当企業の会計監査自体
に問題はなかったとしています。パートナーとしてはトーマツに残るようで
す。
ちょっと詳細は不明です。
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3.[NEWS]吉本興業が「中小企業」に?大幅減資
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吉本興業が資本金を1億円にするようですね。
http://www.asahi.com/articles/ASH7Y31BFH7YPLFA002.html?ref=rss
125億円ある資本金を9月に1億円に減らすということのようで、これによ
り、税法上は「中小企業」となりますね。
主なところで考えますと、
法人税の軽減税率、交際費の一定額までの損金算入可能化、繰越欠損金の控除
制限がなくなる、外形標準課税の課税がなくなるなどですね。
あとは、資本金1億円までいくとどうなんでしょう。会社法上も大会社ではな
くなるのではないでしょうか(資本金5億円以上、負債総額200億円以上)?現
在の財政状態は不明ですが、上場していたときは負債は200億円まではいって
いなかったようです。そうしますと、会計監査もいらないのかな?どうでしょ
う。
芸人への遅配なども取りざたされていましたが、その後どうなんでしょう。こ
こまでの減資は、かなり厳しい証拠なのでしょうね。
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4.[税務]未登録国外事業者からの仕入で消費税の把握
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なかなか、完全な理解はできず、もどかしい感じがします。
そもそも、この10月1日から、国内事業者が、国外事業者から受けた電気通信
利用役務の提供は課税取引となるわけですが、
そのうち、
「事業者向け」
(原則)
リバースチャージ方式といって、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納
税義務が課されます。
(経過措置)
一般課税により申告する場合で、課税売上割合が95%未満である事業者のみリ
バースチャージが適用されます。
ですから、「事業者向け」の役務提供を受けている場合で、自社が一般課税で
課税売上割合が95%未満である場合に、
通信費 100 / 預金 100
仮払消費税等 8 / 仮受消費税等 8
という仕訳が必要になるんじゃないでしょうか?ここで仕訳しなくても、結果
的に申告納税額を算出した際に未払消費税等がきちんとでていればいいかなと
思いますが。
「消費者向け」
(原則)
国外事業者に申告納税義務が課されます。
ですから基本的に、
通信費 100 / 預金 108
仮払消費税等 8 /
ということですね。ところがこちらも経過措置があります。
(経過措置)
国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の
提供を受けた場合は、仕入税額控除が可能ですが、登録を受けていない国外事
業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合は、その仕入税額控
除ができません。
ですから、上記で認識された仮払消費税等8円は、
登録国外事業者からのものであれば、普通にとれる分だけの仕入税額控除をと
るのですが、
登録のない国外事業者からのものであれば、とれませんので、
結果的に、
租税公課 8 / 仮払消費税等 8
ということになるわけです。
なお、ここでは、税込108円としましたので、従前から100円だったものを、
10月1日から108円になったものとして考えましたが、10月1日以降も100円
であり続ける場合もありそうですよね。
その場合でも、支払対価の額に108分の8を乗じて消費税を認識し、相手方が
未登録国内事業者であれば控除対象外消費税額等として処理することになりま
す。
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5.[最新J-GAAP]JMISへの反対意見
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日本公認会計士協会は、平成27年6年30日に公表された「連結財務諸表の用
語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等のう
ち、修正国際基準(JMIS)の適用に関する意見を公表しています。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/main/post_1823.html
概要まとめると、
JICPAはIFRSに深く関与している。
グローバルな単一の財務報告基準を強く支持している。
↓
IFRSのエンドースメント手続も必要と考える。ただし、その帰結は、修正国
際基準の作成に至ることなく、基準の作成又は修正は行われないものとするこ
とが望ましい。
↓
修正国際基準における削除または修正の内容とその根拠となる基本的な考え方
との関係について、明確かつ国際的に理解可能なものとする方針を堅持する必
要がある。
↓
IFRSのエンドースメント手続を指定国際会計基準の指定の手続の一部として
制度上確率させるよう、希望する。
という感じですね。批判しているように読めますね。
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6.[編集後記]
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みなさんはふるさと納税されていますか?
わたし自身やっていませんし、お客様でもなさっている方はあまり多くはない
イメージでしたが、考えてみれば、経済的にお得なんで、やらない手はないか
なと思います。
ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、
寄付額のうち、2,000円を超える部分について、所得税と住民税から原則とし
て全額が控除される制度です。ただし、上限はあります。上限の目安はこちら
ご参照ください。
要は、上限以内なら、2,000円のみの支出超過ということになります。この
2,000円で、「お礼」を受け取れるわけですから、お得ですよね。
ちなみに、この「お礼」ですが、厳密にいうと、「一時所得」です。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/02/37.htm
一時所得は基本的には、50万円の控除がありますから、これを超えるような
ケースはあまりないと思いますけど。
個人的にも活用してみたいと思います。
公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。
トップページ
http://kaishaho-kansa.com/
個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/
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*発行人: エキスパーツリンク
公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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